貿易戦争はアメリカが圧勝

◇アメリカ経済は堅調
 貿易戦争で中国は痛手を受けているが、アメリカ経済は堅調だ。1-3月(第1四半期)の実質GDP速報値は、成長率が予想以上に加速した。在庫と純輸出が全体を押し上げた。

 米中貿易戦争の結果がこのような形で現れることは、予想されていたこととはいえ、改めて驚きである。

 「予想されていた」というのは、GDPに対する輸出の比率が、中国の方がアメリカよりかなり高いことだ。
 
 したがって、仮に米中がお互いに相手国からの同額の輸入に高関税をかけて貿易が減少するとすれば、それによるGDPの減少は、中国の場合の方がアメリカよりも大きくなるはずなのである。つまり、貿易依存度が高い中国の方が、貿易戦争で大きな痛手を受ける。

◇アメリカの物価に悪影響が及んでいない
 意外に思われた第二点は、アメリカへの影響である。アメリカの場合には、輸入に高関税がかかったとしても、国内で生産を代替することができないために輸入を続けざるを得ず、そのため物価が上昇する可能性があると考えられていた。これに対して、アメリカ国内の企業や消費者が反対を表明していたのである。
 ところが実際には、アメリカ国内の物価は上昇していない
 5月の米消費者物価指数(CPI)統計によると、食品とエネルギーを除くコア指数が市場予想を下回った。
 6月の消費者物価指数は、1年前と比べて1.6%のプラスとなり、市場予想と一致した。伸び率は、前の月から0.2ポイント縮小し、2ヵ月連続で2%を下回った。
 これは、エネルギーが3.4%低下したことによる。

 この説明として、中国の業者が輸入価格を引き下げている可能性がある。つまり、輸入関税の影響は中国の業者が負担しているということだ。果たしてこうなってるのかどうか、まだはっきりしない。







































 したがって、仮に米中がお互いに相手国からの同額の輸入に高関税をかけて貿易が減少するとすれば、それによるGDPの減少は、中国の場合の方がアメリカよりも大きくなるはずなのである。つまり、貿易依存度が高い中国の方が、貿易戦争で大きな痛手を受ける。
 しかし、中国のGDPはかなり落ち込んでいる。これが、意外に思われる第1点だ。

◇アメリカの物価に悪影響が及んでいない
 意外に思われる第2点は、アメリカへの影響である。アメリカの場合には、輸入に高関税がかかったとしても、国内で生産を代替することができないために輸入を続けざるを得ず、そのため物価上昇する可能性があると考えられていた。これに対して、アメリカ国内の企業や消費者が反対を表明していたのである。
 ところが実際には、アメリカ国内の物価は上昇していない。
 5月の米消費者物価指数(CPI)統計によると、食品とエネルギーを除くコア指数が市場予想を下回った。
 6月の消費者物価指数は、1年前と比べて1.6%のプラスとなり、市場予想と一致した。伸び率は、前の月から0.2ポイント縮小し、2ヵ月連続で2%を下回った。
 これは、エネルギーが3.4%低下したことによる。

 この説明として、中国の業者が輸入価格を引き下げている可能性がある。つまり、輸入関税の影響は中国の業者が負担しているということだ。果たしてこうなってるのかどうか、まだはっきりしない。



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