香港証券先物委員会(SFC)が、ブラック・セル・テクノロジー社のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の停止を命じた。未登録の集団投資スキームにあたることが理由だ。SFCが19日に公式サイトで明らかにした

 この命令を受けて、ブラック・セル・テクノロジー社は、農産物を取引するためのモバイルアプリ「クロップス」の開発のためにトークン販売して調達した資金を払い戻さなくてはいけない。

 ブラック・セル・テクノロジー社は、投資家にICOを売り込むにあたって、目的がモバイルアプリ開発のための資金調達であるということに加えて、トークン保有者には同社の普通株が与えられると自社サイトで説明していた。SFCは、これを集団投資スキームにあたるとみなし、トークンが「証券」に該当するため、販売前に監督機関に登録する必要があったと判断した。

 同様に、フィリピンの証券取引委員会も今年1月の終りに、クロップストークンという形で無許可の有価証券を販売したとして、ブラック・セル・テクノロジー社とクロップスに関連する企業4社にICOの停止命令を出している。

 米証券取引委員会(SEC)もICOは証券取引法に則って行われるべきだと厳格な姿勢を示している。ジェイ・クレイトン委員長はこれまでICOで販売されてきたトークンはすべて証券とみなされるべきで、アメリカの投資家に販売される前にSECに登録されるべきだという見解を示した。

 仮想通貨不動産投資媒介(CREIV)と呼称される「プレトリアングループ」は今月、同社のICOを証券としてSECに登録した。うまくいけば、初のSEC公認ICOとなる。