トレントクライアントのマイクロトレントを運営するビットトレント社は、トロンの創設者ジャスティン・サン氏によって買収される途上にあると報じられている。トレントフリークが25日に伝えた。

 ジャスティン・サン氏はこれまでに、昨年「レインベリー」へと社名を変更したビットトレント社を、1月に署名した同意書の「ノーショップ」条項に違反したとして訴えた。サン氏の訴訟によれば、合意書に署名がなされた後、ビットトレントのデイビッド・チャオ氏はサン氏に、同社がやり取りをした他社から3つの「より好条件の」値段を提示されている、と伝えた。

 ビットトレントに対して潜在的買主との連絡を断つようにとする禁止命令を求めるサン氏の訴えは、裁判所によって却下された。

 トレントフリークによれば、合意書による独占期間が2月末に終了すると同時に、サン氏は「レインベリー・アクイジション(買収)」という名の持ち株会社を登記した。

 ビットトレントはトレントフリークに対して、買収は最終決定されていないことを認めた一方、ジャスティン・サン氏は、当記事の掲載時点ではコインテレグラフからのコメントの求めに応じていない。

 5日後にトロン・メインネットをローンチするトロンは、時価総額約46億ドルで、コインマーケットキャップ上で現在9位に位置する。トロンは記事掲載時点では、24時間で2%強下がった約0.07ドルで取引されている。トレントフリークによれば、トロンのホワイトペーパーには直接トレントが言及されており、トロンのメインネットの「ウェブを分散化する」という目的は、ビットトレントの目的と一致している。

 トロンとは別件となるが、ビットトレントの生みの親ブラム・コーエン氏は昨秋、ビットコイン(BTC)の「中央集権化の問題」を解決する独自の仮想通貨、チア(Chia)を生み出すことを計画していることを発表した