ここに示した見方や意見は著者単独のものであり、コインテレグラフの考えを必ずしも反映するものではありません。リスクを含むトレードや投資の際には、自身で調査を行ったうえで判断するようお願いします。市場データはHitBTCから提供されています。

 投資の世界では、ファンダメンタルズと資産クラスの価格が同時並行的に動くことはほとんどない。通常は、一方が他方に先行するものだ。

 2017年、仮想通貨の価格は急騰したが、ファンダメンタルズはまだ整っていないかった。その結果、急激な調整が行われたわけだ。ほとんどの仮想通貨は最高値から50%以上も下落した。今年になってファンダメンタルズは急速に改善している。

 投資銀行から大企業に至るまで、誰もがブロックチェーン技術と仮想通貨取引の広大な可能性を模索している。教育機関、政府、中央銀行も、この画期的な技術の利用可能性を様々な方面から模索している状況だ。

 しかし、このファンダメンタルズの改善に価格は追いついていっていない。多くのネガティブなニュースにより仮想通貨がこぞって底を打つ状況となっている。直近の価格下落は、日本の金融庁による業務改善命令が起因しているようだ。金融庁は、日本の仮想通貨取引所に対して、マネーロンダリングとテロ資金供与に対する対策を改善するよう求めている。

 金融庁の処分を受け、日本最大手の取引所ビットフライヤーは新規アカウントの受け入れを一時中止すると発表した。長期的にみれば、これはポジティブなニュースだが、依然として市場の反応は良くない。

 フラストレーションの溜まるような状況だが、市場の地合いが変われば価格が急騰する可能性も高い。従って、トレンドの変化に目を凝らし、買いの機会を探っていきたい。

 いまの状況が何ができるか。チャートを見てみよう。

BTC/USD

 ビットコイン(BTC)の巻き戻しは、下降トレンドラインで失速した。強気筋はこの直上のレジスタンスを突破することに失敗し、弱気筋の新たな売りが起こった。現在、強気筋は6075.04ドルの主要なサポートを堅守しようとしている。

BTC

 もし弱気筋が6000ドルとい心理的節目を下抜けることに成功したならば、BTC/USDは次のサポートである5450ドルまでスライドする可能性がある。

 相対力指数(RSI)が売られ過ぎの領域に入れば、買いのシグナルだが、これが機能していない。このことは、直上のレジスタンスに近付くに従い、買いが干上がり、売りが増加していることを示している。もし弱気筋が6000ドル以下の状況を維持することになれば、レンジ内で取引がされているという見方を見直さなくてはならないだろう。

 しかし、もし強気筋が6000ドルから6075ドルのサポートゾーンを守ることができれば、ビットコインは依然として広いレンジ内にあることを示す。今後数日間、20日間EMAを上回ることができれば、ロングポジションを提案したいと思う。

ETH/USD

 イーサリアムは、前回の分析で提案した買いのレベルにまで達しなかった。イーサリアムは、直上のレジスタンスである20日間EMAで反落してしまった。

ETH

 足元の急落により、ETH/USDは下降チャンネルに再び入った。これは弱気な展開だ。弱気筋が450ドルを下抜けた場合、次の主要なサポートは358ドルだ。

 過去2度にわたり、イーサリアムの価格は20日間EMAから下落に転じている。ロングポジションを提案する前に、価格が20日間EMAをスケールするのを待つ必要があるだろう。

XRP/USD

 強気筋が0.56270ドルを上回ることに失敗を繰り返している。このことは、弱気筋による売りを誘い込んだ。リップルは、いまや0.45351ドルの最終的なサポートまで落ち込みそうな勢いだ。

XRP

 0.45351ドルを下抜け、(UTCで)終値を付けることになれば、ネガティブな展開となるだろう。次のサポートは0.24ドルになってしまう。このような展開は、昨年12月中旬から始まったラリーが完全に巻き戻されてしまうことになる。

 もし強気筋が重要なサポートを守ることができれば、XRP/USDは再び0.56270ドルを超えようと反発するだろう。

 新しい買いの機会が生まれるまで、トレードの提案は控えたいと思う。

BCH/USD

 3日にわたり下降トレンドラインを上回ることに失敗した後、ビットコインキャッシュは急落した。

BCH

 現在、777.5304ドルから736.0137ドルのサポートゾーンを維持しようとしている。もしこのゾーンを下抜けることになってしまえば、BCH/USDは620ドルまで下落する可能性がある。

 ビットコインキャッシュは、過去に急騰と急落を繰り返している。まずは価格が下落するのが止まり、上昇方向へ反転し、20日間EMA以上の状態を維持できるまで待つ必要があるだろう。

EOS/USD

 EOSも弱気のようにみえる。10.3384ドルを上回るための買いを引き付けることに失敗しており、2つの移動平均はどちらも下方向になっている。

EOS

 現在、価格は78.7%のフィボナッチ・リトレースメントレベルを割っている。これにより、5.9610ドルから23.0290ドルへのラリーがすべて帳消しになってしまう可能性が高まった。7.8ドルから8ドルにかけマイナーなサポートがあるものの、維持することはできない可能性が高い。

 EOS/USDが下降トレンドラインを突破でき、買いの機会が生まれるまで、待つ必要があるだろう。

LTC/USD

 ライトコインは過去3日間で買いのモメンタムjを見つけることがきず、84.708ドルの次のサポートへ向けて下落し始めている。もしここも下抜ければ、75.131ドルまで下落してしまうだろう。

LTC

 LTC/USDが107.102ドルまでスケールするまでは、ラリーには売りの圧力が掛かり続けるだろう。

 トレンドの変化の最初のサインは、強気筋が108ドル以上のレベルを維持できた時だ。これにより、市場が安値を拒絶したことがはっきりするだろう。それまでは静観し続けるのが最善だ。

ADA/USD

 カルダノは過去1週間、レンジ内での取引が続いた後、次のサポートである0.13ドルに向けて下落し始めた。

ADA

 0.13ドルを下抜け、(UTCで)終値を付けてしまえば、ネガティブなサインだ。ADA/USDは0.078215ドルまで落ち込むだろう。

 5月9日に価格が20日間EMAを下回って以降、20日間EMAは主要なレジスタンスとなっている。したがって、カルダノが20日間EMAを超え、それを維持されるのを待ってから、ロングポジションについて検討したいと思う。

XLM/USD

 ステラは狭いレンジ内を下抜け、下落している。次の主要なサポートである0.184ドルのレベルまで下落していく展開になるだろう。

XLM

 強気筋が0.184ドルを堅守することを期待しているが、20日間EMAと下降トレンドラインを上回って初めて、XLM/USDは勢いを得るだろう。持続的な買いが現れるようになったら、新たな買いの提案をしたいと思う。

 もし0.184ドルを下回り、(UTCで)終値を付ければ、レンジ内での取引が形成されているという見方も撤回しなくてはならなくなるだろう。

IOTA/USD

 IOTAは過去2日間で上昇がみられず、18日の日中の安値を下回った。これは次のメジャーなサポートである0.9150ドルまで下落する可能性が高い。

IOTA

 相対力指数(RSI)は売られ過ぎのレベルに近く、リバウンドの可能性が増している。しかしながら、相場の地合いが弱気な場合、RSIは売られ過ぎを招く可能性があるため、トレーダーはリスクのある買いをする前に、反転の兆候を待つべきだ。

 トレンドの変化の最初のサインは、IOTA/USDが下降トレンドラインと20日間EMAを突破した時だろう。新しい買い場が形成されるのを待った上で、取引を提案したいと思う。