金融サービス大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)が、ブロックチェーンを用いた支払証明システムに関する特許を申請した。米国特許商標庁(USPTO)が12日木曜に公開した文書で明らかになった。

 この特許の出願者は、同社の旅行部門であるアメリカン・エキスプレス・トラベル・リレイテッド・サービシーズ社。特許中のシステムでは、まず業者の識別情報と取引額が含まれた支払いデータがブロックチェーンの初期のノード上で公開鍵を用いて暗号化される。その後、暗号化されたデータは、2番目のブロックチェーン・ノードに安全に伝えられた後、顧客が持つスマートデバイスによって復号・照合されるという。スマートデバイスが支払証明を検出の成功にすれば、支払いを行った顧客へのサービスを開始できるようになる。

 同特許では、こうした安全なシステムの様々な利用事例として、ホテルの予約、不動産賃貸、イベントや会場へのチケット無しでの出入りが提案された。ブロックチェーン上に保管された支払証明を取り出し復号することが可能な顧客のスマートデバイスによって、これらすべての利用事例案を簡便化することができる。

 アメックスは既にブロックチェーン技術への関心を示しており、ブロックチェーン・コンソーシアムのハイパーレジャーに加盟している。同組織は業界を横断した活用のためにブロックチェーン技術の標準の定義と開発に共同で取り組んでいる。