ビットコイン(BTC)のボラティリティ(変動幅)が低い中、仮想通貨の超高速取引業者(HFT)の投資戦術に変化が出ているとThe Blockが報じた。動かない相場は「嵐の前の静けさ」と楽観視する投資家もいるが、どのくらい長期化するかが分からない中、超高速取引業者は生き残る術を模索している。

過去30日間のビットコインのボラティリティは13日、2016年の12月以来で最低を記録した。

(引用元:Bitcoin 30-day volatility index via MarketWatch 「ビットコイン(BTC)30日ボラティリティ・インデックス」)

ビットコイン暴騰を目前にした嵐の前の静けさという楽観論がある一方で、マーケットウォッチによると、「毎日、前日と同じことが起きているから思考を働かせることが難しよ」と漏らすアナリストもいるという。

超高速取引業者 「複雑な裁定取引に」

仮想通貨市場のボラティリティが激しかった時、超高速取引業者(HTF)は大きな利益を得ていた。1秒に数百万回という高い頻度で、安値で買って高値で売るという取引を繰り返す高速取引業者。相場の変動幅が大きければ大きいほど、利益獲得のチャンスが多く存在する。ビットコインが1日に5%も10%も動いた昨年末は、多くの超高速取引業者が参入してきたという。

The Blockによると、こうした超高速取引業者は、ボラティリティが低い現在、新たな戦術を採用。とりわけ裁定取引のやり方を変えているそうだ。裁定取引とは、同一の資産を売買して価格の違いから利益を得ること。ジェネシス・トレーディングのマイケル・モロCEOは、単純な取引所ごとの価格差を利用した裁定取引からシフトしていると解説したそうだ。

ビットコインを売って円にして、それでイーサリアムを購入。それを売却してライトコインを手に入れる。裁定取引がかなり複雑になってきている。そのためには、複数の仮想通貨取引所、銀行口座、FXの仲介業者にアクセスできなければならず、それぞれのマーケットへのインとアウトを素早く行わなければならない」

その上でモロ氏は「今のゲームの名前はサバイバルで、文字通りそこに存在し続けることだ」と付け加えた。

 

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