フェイスブックは21日、数億人分のユーザーのパスワードを暗号化されていない単純なテキストで保管しており、社員が閲覧可能な状態だったことを明かした。昨年に大量の個人情報を流出させて批判を受けたフェイスブック。今回の問題は、2週間前にザッカーバーグCEOがプライバシーを強化すると宣言した矢先の出来事であり、個人情報に対するフェイスブックのあり方が再び問われることになりそうだ。

フェイスブックは、今年1月の社内調査でこの問題を発見。すでにこの欠陥を修復したという。また、外部からの閲覧は不可能で、社員から外部にパスワードが漏れた形跡はないと述べた。

フェイスブックの発表前にこの問題を報じたクレブスオンセキュリティによると、2012年からフェイスブックの社員2万人以上によってパスワードの閲覧が可能だった可能性がある。また、暗号化されていなかったパスワードは2億から6億人分に上ると見られている。

今月7日、フェイスブックのマイク・ザッカーバーグCEOは、プライバシーを強化することを宣言。エンドツーエンド暗号化(利用者のみが鍵を持つ)技術を使ったプラットフォーム構築に意欲を見せた。

フェイスブックは、2018年にも個人情報の流出問題に揺れた。英データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカがフェイスブックの最大8700万人分の利用者データを使い、2016年の米大統領選とブレグジット(英国の欧州連合離脱)をめぐる国民投票の結果に影響を与えたとされ、スキャンダルになった。フェイスブックのザッカーバーグは2018年、米議会の公聴会に呼ばれ、謝罪に追い込まれた。