グーグル、フェイスブック、アップル、アマゾンのいわゆる「GAFA」と呼ばれる巨大テック企業が、金融サービスに照準を合わせている。これらの企業の動きがビットコインの価格に影響を与えるのではないかとの見方が浮上している。

米大手メディア、ウォールストリートジャーナルは11月14日、グーグルが金融大手シティグループなどと連携して、当座預金口座サービスの提供を計画していると報じた。「キャッシュ(Cache)」と呼ばれるサービスは、来年にも開始する予定だ。

「グーグルがビットコインを殺す」

ジャーナリストのビリー・バンボロー氏は16日、フォーブスに「おそらくグーグルはビットコインを殺すだろう」との記事を掲載した

バンボロー氏の見方では、ビットコインやほかの仮想通貨は新しいユーザー獲得や支払い手段としての普及に苦戦している状況だ。その一方で巨大ハイテク企業であるグーグルが、金融サービスに乗り出すことは、ビットコインの潜在的なユーザーを奪うことにつながるという見方だ。

さらにグーグルは10月、量子コンピューターの分野でも「量子超越性」の実証に成功したと発表。ビットコイン暴落の引き金になったとの見方も出ていた

バンボロー氏は、一般的なユーザーはビットコイン信奉者が主張するようなデータプライバシーやデジタルセキュリティの問題よりも、依然として巨大テック企業のブランド力の方に重きを置いていると指摘。「グーグルの金融サービスは、量子超越性よりもビットコインにとって大きな脅威になる可能性がある」と結論付けている。

フェイスブックとビットコイン価格との関係

GAFAの一角を占めるフェイスブックとビットコインとの関係について、仮想通貨投資プラットフォームのSFOXがレポートを発表している

SFOXは、フェイスブックが主導する仮想通貨リブラの動向が、ビットコインの価格に影響を与えている可能性があるとしている。

出典:SFOX

リブラを巡るネガティブな報道が出るたびに、ビットコインの価格が下落する傾向がある。たとえば、フェイスブックのザッカーバーグCEOが議会証言をした日には、ビットコインは大幅に下落している。

SFOXは、「リブラがビットコインに影響を与えると信じているかどうかに関わらず、市場は、リブラが仮想通貨やブロックチェーン技術の採用やセンチメントに関するシグナルとして見ている可能性がある」と指摘する。

さらに、フェイスブックが「フェイスブックペイ」を11月に発表したことにSFOXは注目している。10月のG20での声明など、リブラに対する逆風が強くなる中、既存の決済システムへの取り組みから先行させる動きだ。

SFOXは、フェイスブックペイが先行することでリブラ開発に影響を与える可能性を指摘。リブラ開発にネガティブな影響があれば、仮想通貨相場への影響が波及する懸念があるという見方を示している。