米国の大手自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)は、継続的に更新されるナビゲーションマップシステムの特許を申請している。このシステムは、ブロックチェーンを使用して、車両センサーからのデータを統合し、自動運転車両向けに信頼性の高いマップを構築する。

2018年10月1日に提出され、2020年4月2日に公開された申請資料によると、既存のマップは「大きなコストをかけずにダイナミックに維持するのが困難だ」と指摘。その理由として、多くのマップが特殊な車両を使って更新されているからだ。それでは更新される範囲が限定されてしまう。

GMのソリューションは、プロセスを多くの車両に任せるというものだ。これにより、車が走行しながらセンサーを介して周囲のデータを収集する。リアルタイムデータは、既存のマップと分析・比較される。

既存のマップとの差異は、すべてのマップデータを保存しているブロックチェーンネットワークに送信される。更新の候補となるトランザクションは、ほかの車両が同様の変更を報告した場合に検証される。特許申請によれば、このネットワークがデータ収集をする車両とマイニングノードによって維持されることを示唆している。

この特許は、GMの半自動運転システム「スーパークルーズ」用に開発されたとみられる。スーパークルーズは、ナビゲーションマップに大きく依存しており、「サポートされている」道路でのみ使用できる。

ブロックチェーンを使ったマップ生成プロセスが実現すれば、米国の道路の大部分をカバーするGMの試みもスピードアップするだろう。

この特許は、利点の1つとしてマップ生成プロセスを分散化し、複数のベンダーが1つのマップを制し得することができるようになっている。これがブロックチェーンを実装する理由と思われれる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン