6月5日に発表された米雇用統計は、市場予想を裏切り、ポジティブな数字をはじき出した。米株式市場は大幅反発し、トランプ大統領は「史上最高の復活の日になった」と経済回復に自信を見せた

5月の雇用統計は、市場予想は前月比800万人の減少だったが、実際には250万9000人の図かとなった。失業率も13.3%と、4月の14.7%から改善した(市場予想は19.8%だった)。

市場予想に反してプラスの数字となった雇用統計を受け、米株式市場も急反発。ナスダックは一時最高値を更新し、S&P500も2.6%高となった。

一方、仮想通貨相場は前日比で反落する展開となっている。

ビットコインは1万ドルを前に下落し、前日比2%安の9600ドル前後で取引されている。主要通貨でもイーサ(ETH)は1.3%安、XRPは0.6%安となっている。

出典:Coin360

「ビットコインの強気相場を後押し」

仮想通貨市場には米経済復活の熱狂は伝わっていないのか。

コインテレグラフ寄稿者であるジョセフ・ヤン氏は、米経済のV字回復は「ビットコインの強気市場の見通しを後押しする可能性がある」と指摘している

トランプ大統領は、好調な雇用統計を受けて会見を行い、追加の経済刺激策を行うことを明らかにしている

ヤン氏は、3月の米政府の景気刺激策発表後、ビットコインが6750ドルから10440ドルまで急騰した点に注目。今回もビットコインの強気材料になる可能性があるとみている。

「刺激策は、特定の株式や仮想通貨などのリスクの高い資産に対する投資を直接刺激するものではないが、投資家の間で楽観主義を生み出し、金融市場に追加の流動性をもたらす」

またグレースケールのBTC投資信託を通じた機関投資家によるビットコイン需要の増加や、ビットコインのマイニングの採掘難易度が過去2回にわたって下方修正された点を挙げ、ビットコインのファンダメンタルも好調であると指摘する。

こういったビットコインのポジティブ要因と、米国経済の復活の流れが合流すれば、「ビットコインに楽観的な上昇トレンドをもたらす」可能性があると結論付けている。