バイナンス(Binance)の中国における新たなブロックチェーン研究所が、国家レベルのサプライチェーン・イノベーターと戦略的な提携関係を構築した。同国の中小企業(SME)向けにデジタルインフラを共同で開発する。

7月3日の発表によれば、同研究所の新たなパートナーは、サプライチェーン革新のための国有企業、中商北斗(ゾンシャン・ベイドン)である。同社を最終的に監督するのは、国有資産監督管理委員会(SASAC)として知られる省庁レベルの組織である。

SASACは中国の国務院の直接管理下に置かれており、同国で中央集権的に管理されている国有企業96社全てに対して責任を負う。

バイナンス中国ブロックチェーン研究所とゾンシャン・ベイドンは戦略的パートナーとして、ブロックチェーン技術を利用したサプライチェーン・インフラの再構築と、産業革新および中国のデジタル経済の発展促進で協力する。

両者は協力して、科学的な研究や、共同プロジェクトの開発、技術的進展やプラットフォーム構築の商業化に取り組む。

ゾンシャン・ベイドンのホンタオ・ドゥアン会長は同企業について、「情報の産業化を通して産業資本化を推進すること、および中国ブランドを資本市場や世界中のオーディエンスに知らしめることに尽力している。サプライチェーン業界にブロックチェーン技術を適用することで、中国の由緒あるブランドや農業ブランドを守り、作り変える助けにもなる」と述べる。

バイナンスは今年3月に上海を拠点とする研究所を立ち上げた。これは、同取引所が中国との関係再構築に向け、暫定的な措置を進めている可能性があることを示唆する。

今回の発表によれば、バイナンス中国ブロックチェーン研究所は6月中旬、国連に協力するパートナーとして国連グローバル・コンパクト(UNGC)に参加した。これは、北京の一帯一路構想を促進する努力の一環でもある。

その他のUNGCメンバーには、国家開発銀行や中国石油化工集団、国家電網公司など、主要な中国企業15社が含まれている。

バイナンス中国ブロックチェーン研究所はゾンシャン・ベイドンの協力を得て、「新たなデジタルインフラ - 百都市千企業スパークプロジェクト」と呼ばれる構想も立ち上げようとしている。

このスパークプロジェクトを通して同研究所は、今後2年にわたり1,000社以上の零細・中小企業に1億人民元を投資する予定だ。それらの企業にはバイナンスのエコシステムへのアクセスが与えられ、ブロックチェーン産業同盟の構築を助けるとともに、デジタル変革のための支援も提供する。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン