日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は、国内の仮想通貨取引に関する今年3月のデータを公表した。新型コロナウイルスが蔓延する中、調査対象となったすべての仮想通貨の数量が増加したことが明らかになった。

7月8日に更新された統計によると、3月のビットコイン(BTC)の現物の保有数量は前月比で11%増加の16万9376BTC。XRPは6.4%増の32億2144万4331XRP。イーサ(ETH)は5.7%増加の114万5109ETHだった。

この他、ビットコインキャッシュ(BCH)、モナコイン(MONA)、ライトコイン(LTC)、ネム(NEM)も前月より保有数量が増加した。

一方、3月の現物取引高は円建てでビットコインが1位を堅持。2位のXRPとは11倍以上の差をつけた。3位はモナコインだった。

(出典:JVCEA 「2020年3月度 現物取引高上位暗号資産」)

コロナ禍で仮想通貨投資は進むか

新型コロナウィルスのロックダウンによって仮想通貨投資が進んでいるという海外のデータもある

モード・バンキング(Mode Banking)によると、英国のベビーブーマー世代(1940年~1960年代前半)とジェネレーションX(1960年代後半~70年代)によるビットコイン投資額が今年の2月以降で毎月倍になっている。

2月を基準月として考えると、3月は2.24倍、4月は4.49倍、5月は8.88倍だった。

これまでビットコイン投資といえば、ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭)が中心と考えられてきた。新型コロナの影響で、急速に高齢層の関心も高まっているようだ。

モードの最高プロダクト責任者(CPO)であるジャニス・レグラー氏は、「世界的なパンデミックによって投資家の考え方に未曾有の変化が訪れている可能性」を指摘している。

また英金融コンサルタント大手のデヴィアグループの創業者兼CEOのナイジェル・グリーン氏は、コロナウィルスによる経済不安が世界的に拡大する中、ビットコインが「デジタルゴールド」としての位置づけがより明確になるとも述べている

「私たちは金利ゼロの時代に向かっている。これにより、法定通貨を維持するインセンティブは減少するだろう。さらに、金利引き下げは一般的に、インフレ向上につながり、通貨の購買力を低下させる。したがって、ビットコインやほかの仮想通貨はより魅力的になり、それに応じて価格が上方修正されていくだろう」

新型コロナウィルスで経済が不安定化する中で、世界的に仮想通貨への投資がオルタナティブ投資として注目され始めているのかもしれない。