ビットコイン(BTC)の価格と株式市場との相関は、高い水準となっている。7月9日には米株式指数S&P500とBTC価格の相関は史上最高を記録した。

Skewのデータによれば、1年間の実現相関は7月9日に0.38に達した。週初めに新しい高値を達した後に再び高値を更新した。

Bitcoin - S&P 500 Realized Correlation

出典: Skew ビットコインとS&P500の実現相関

株式市場とBTC価格との相関関係は最近、着実なペースで高まっている。Skewのデータでは、1ヶ月間の実現相関でも7月8日に過去最高の0.78に達した(ただその後0.61まで低下している)。

ビットコインと株式市場との相関は高まっているが、2011年以来の高値を記録した金(ゴールド)についても同じことが言えないようだ。

仮想通貨(暗号資産)取引所クラーケンの最近のレポートによると、BTC価格と金との相関が低下していることがわかった。5月までは0.5となっていたが、6月は1年間平均を下回るマイナス0.49まで下がっている

株式市場との相関はBTCの成熟のサインか?

新型コロナウィルスのパンデミックと、3月12日の仮想通貨市場暴落の後、ビットコインと株式市場との相関は高まってきた。最近のコインテレグラフリサーチのレポートでは、この傾向が半減期以後に終わる可能性を指摘していたが、実際には反対のことが起こっている。これはおそらく、新型コロナによる経済的影響が継続しているためとみられる。

ビットコインと株式市場との相関が強まっていることは、ビットコインが資産クラスとして成熟化していることのサインだとも言われているが、一方で規制されていないビットコインデリバティブ商品の存在により、ロングスクイーズやショートスクイーズが発生しやすくなっている

一部のアナリストは、ビットコインと株式市場との相関関係により、BTCが伝統的なポートフォリオの中で取り込まれていることを示唆するものであり、ビットコインが幅広く採用されていることのサインだと指摘する声もある。

ビットコイン価格は調整局面にあるのか?

半減期とそれによる価格上昇への期待感があった時から時間が経過し、ビットコインの価格は横ばいで推移している。ボラティリティは過去最低のレベルとなっており、10日間の実現ボラティリティは0.2を記録した。これは2018年11月以来の水準だ。

Monthly Bitcoin volume trading into fiat or stablecoin

出典: CryptoCompare 月間のビットコイン取引高(法定通貨・ステーブルコイン建て)

ビットコインのボラティリティ低下は、取引高の減少とともに発生している。最近のデータによると、BTC/USDT(テザー)、BTC/USD(米ドル)ペアの取引高は、6月にそれぞれ56%、44%減少している。

BTC価格は9300ドルがレジスタンスとして機能し続ければ、下落調整のリスクは増加し続けることになる。このため、トレーダーは短期的に9500ドルを突破する必要があると考えている。そうでなければ、BTC価格が8000ドル以下に下落するリスクが高まることになる。

このトレンドは、仮想通貨デリバティブおよびスポット市場の両方で観察できる。6月のデリバティブ取引高は35.7%減少し、2020年で最低となっており、スポット取引高は49.3%減少している。

取引高の減少、ボラティリティの低下、株式市場との強い相関、そして金との相関の低下は、ビットコイン価格に弱気な見方をもたらしているようだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン