ビットコイン(BTC)価格が10,500ドルから13,800ドルまで上昇したため、ビットコインにとっては10月は素晴らしい月となりそうだ。しかし、最近では、新型コロナウィルスへの懸念が高まる中、その勢いは鈍化している。BTC価格は10月28日に13,800ドルから12,900ドルまで下落してしまった。

仮想通貨市場での調整に加えて、株式市場と商品市場でも弱気の動きが出ている。米株式指数のS&P500は10月27日に4%下落、銀も6%下落した。比較的好調な唯一の資産は、米ドル通貨指数(DXY)のみだ。つまり、言い換えれば、投資家は再び安全のためにドルに殺到しているといえる。

13,500~14,000ドルがレジスタンスに

BTC/USD 2日足チャート. 出典: TradingView

チャートをみると、13,500~14,000ドルの領域がレジスタンスとなっている。13,500~14,000ドルのエリアは、新しい高値を更新するための最後の大きなハードルだ。多くの投資家やトレーダーは、このエリアを重要視している。

また今後の期間で、テストすることになるサポートゾーンについても見ることができる。このゾーンは、11,600~12,200ドルの範囲でマークされている。このエリアがサポートとして機能した場合、健全な蓄積フェーズを開始し、新しいレンジ内での保ち合いの展開となるだろう。

ドル高となれば、BTCが下落する恐れも

米ドル通貨指数のチャート. 出典: TradingView

欧州地域が新型コロナによるロックダウンに再び戻ろうとしている中、安全への逃避が始まっている。

このような安全への逃避の動きは、今年3月にマーケットが暴落した際にも米ドルへの逃避として発生した。米ドル通貨指数(DXY)は底を付け、92.50ポイントから跳ね上がった。現在、DXUは94ポイント近くにあり、DXYの最近の反発の動きが市場全体の弱さを引き起こしているようだ。

米ドル通貨指数チャート. 出典: TradingView

データが示すように、ビットコインとDXYの間の相関関係は、今年3月の市場暴落以降、逆相関となっている。これは金(ゴールド)の動きとも類似している。

しかし、このデータから導き出せるのは、ロックダウンの懸念による伝統的な市場の弱気トレンドと社会不安の中で、ビットコインのさらなる調整の可能性が高まってるということだ。

調整は、さらに蓄積につながる可能性があるため、現時点でビットコイン市場にとって必ずしも悪いことであるとは限らない。

投資家の大多数は2万ドルへの直線的な上昇をみたいと思っているかもしれないが、それは起こりそうにはないだろう。ビットコインは新しいサイクルが始まったばかりであり、当面は保ち合い的な展開が続くかもしれない。いくつかのサポートレベルがテストされた後に、パラボリックな上昇が発生する可能性はあるだろう。

1万3300ドルまで回復できるか

BTC/USDT 2時間足チャート 出典: TradingView

チャートが示すように、13,250~13,400ドルが明確なレジスタンスゾーンとなっている。さらなる上昇の勢いを維持するためには、このレジスタンスを突破する必要がある。このレジスタンスをクリアできない場合、さらに下落する可能性が高くなるだろう。

現在の価格からさらに下落するとなれば、潜在的なサポートは12,700~12,850ドル、その次は11,600~11,800ドルとなるだろう。

弱気シナリオは、12,700~12,850ドルのサポートゾーンが失われた場合に発生するだろう。そのような展開となれば、仮想通貨市場全体で売りを集めることになり、ビットコインやアルトコインの調整を引き起こす恐れがある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります。