米国の人権団体「ヒューマン・ライツ・ファンデーション」の最高戦略責任者であるアレックス・グラッドスタイン氏は、仮想通貨やプライバシーツールの米国での報道姿勢を批判している。

米タイムに掲載された記事の中で、グラッドスタイン氏は、報道機関がプライバシーに特化したメッセージングアプリ「シグナル」やビットコイン(BTC)を取り上げる際にテロリストや犯罪組織と関連付ける傾向があると指摘している。グラッドスタイン氏は、このような傾向はプライバシーや自己主権の問題をネガティブなトーンで伝えていると批判する。その上で、次の戦いはマネーの分野、仮想通貨に移行するだろうと述べている。

「当局はシグナルやテレグラムだけでなく、ビットコインや当局がコントロールできないものについても過激主義であると非難するだろう」と、グラッドスタイン氏は予測している。

「ビットコインは現金のように中立であり、良いものと悪いものと区別することはできない。…一部の過激派はこれらのツールを使用しているが、携帯電話や電子メール、インターネットも使用している」

グラッドスタイン氏は、経済的なプライバシーはコミュニケーションツールにおけるプライバシーと同様に健全な民主主義国家にとって不可欠であると主張している。

グラッドスタイン氏は、香港の若い民主派がデモに行く際にクレジットカードではなく現金を使うことで、当局による追跡を困難にしていた事例を強調している。

ベラルーシやロシア、ナイジェリアの当局は、民主化運動をする人々に対して銀行口座の監視・凍結を行った。これらのケースでは、多くの民主化グループは仮想通貨を使うことで、当局からの追跡を回避していた。

「ほとんどのアメリカ人は、経済的プライバシーが私たちの民主主義にとって通信のプライバシーと同じくらい重要であることをまだ理解していない。あなたの消費習慣はあなたの言葉よりもあなたについて多くを物語っている」と、グラッドスタイン氏は語っている。

グラッドスタイン氏は、「過激主義と戦うための大量監視」に後押しされ、ビットコインのような金融ツールが奪われてしまうことは、米国が警察国家化することにつながると警告している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン