10年物米国債の利回りが1.62%に急騰したことで世界の金融市場とリスク資産に大きな打撃を与えたため、ビットコイン(BTC)は3月5日に5万ドル未満で苦戦し続けている。

記事執筆時点でS&P500とダウはそれぞれ0.46%と0.64%上昇しているが、アップルやテスラなどのテック企業株が低迷し続けており、テクノロジーセクターの売りが続いている。

エコノミストは、COVID-19ワクチンの展開による経済改善と、コロナウィルス感染率が低下するにつれて経済活動活発化が見込まれる結果、債券利回りが上昇するとみている。イールドの上昇により、米連邦準備制度理事会(FRB)がイールドカーブコントロールを開始したり、よりタカ派的なスタンスを取ったりする可能性があるとの見方もあるが、これまでのところFRBは現在のスタンスを変えることを控えている。

Cointelegraph MarketsTradingViewのデータによると、強気派は5日にビットコイン価格を4万6280ドルから4万8725ドルの高値まで5.25%押し上げた。5万ドルの水準までまだ回復しておらず、トレーダーは強気の勢い回復を確認するため、5万2000ドル突破を目指している。

BTC/USDT 4-hour chart. Source: TradingView

ビットコインは2月に時価総額1兆ドルに達し、過去最高値の5万8532ドルに達するなど、記録的な月となった。今週ビットコインは反落したにもかかわらず、投資家の間では依然として楽観的な見方が維持されている。イーサリアム(ETH)価格も、2月20日に2033ドルの過去最高値に達した後、過去2週間にわたって保ち合いの展開となっている。

パラボリックな強力な反発の後には、レンジ内での値動きやより安値のサポートを再テストする展開が一般的だ。テクニカル的な観点から、ビットコインとイーサリアムは保ち合い段階にあるようだ。

ビットコイン 3月は毎年苦戦

2021年にはビットコインは、2013年以来で最高のスタートを切った。過去のデータによると、BTC価格は2月中旬から3月末まで苦戦する傾向がある。Delphi Digitalからの最近のレポートは、この傾向を強調。ビットコインだけでなく、2018年からはイーサリアムもこの傾向が当てはまるという。

Bitcoin yearly performance. Source: Delphi Digital

Delphi Digitalのアナリストによると、ビットコインのボラティリティも例年3月には増加している。つまり20%下落というのは、驚くようなことではないのだという。

5万ドル以下への最近の調整にもかかわらず、Delphi Digitalの全体的な見通しは依然として楽観的だ。アナリストは「BTCのピークが過去のものだと考えるデータやチャートは何もない」と述べている。

またアナリストは、金が年初来で9.8%下落しており、ビットコインが将来的に金を追い抜く可能性があると指摘している。

これはおそらく、ビットコインの投資商品と世界最大の金ETFとの間の資金フローの相違によるものであり、Deliphi Digitalは、金のアンダーパフォームが長引けば長引くほど、「BTCが注目を集めるだろう」と述べている。

 

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