インド最大の小売チェーンであるリライアンス・リテイルは、店舗の一部でデジタル・ルピーの取り扱いを開始し、今後、全店舗に展開する予定であると発表した。

テッククランチの報道によれば、リライアンス・リテイルは中央銀行デジタル通貨(CBDC)の取扱いを、同社のグルメストアラインであるFreshpikですでに展開されているという。さらに、同社はデジタル・ルピーのサポートを同社の全店舗に拡大するとも述べており、この動きは同国のCBDCの採用を前進させる可能性があるとしている。

リライアンス・リテイルの幹部は、中央銀行デジタル通貨を受け入れることは、インドの消費者に「選択の力」を提供するという同社のビジョンに沿ったものであるとコメントしている。また、この取り組みにより、店舗内で新しい支払い方法を提供することが可能になると強調した。

記事によると、リライアンス・リテールは、ICICI銀行、コタク・マヒンドラ銀行、フィンテック企業のイノビティ・テクノロジーズと提携し、CBDCへの対応を進めたとのことだ。デジタル・ルピーでの支払いを選択した消費者は、店舗でQRコードを受け取り、支払いを完了することができるという。

インドのCBDCの計画については、昨年10月にインド準備銀行(RBI)が51ページに及ぶレポートでその狙いを概説している。中央銀行は、潜在的なプラスとマイナスの効果を含む様々な要因を定義しているが、CBDCの動機の1つは、現金管理の運用コストを削減することだという。

RBIは2022年11月、機関投資家や企業向けにデジタル・ルピーのホールセール・パイロットを開始した。2022年12月、RBIは、加盟店と顧客で構成されるクローズドなユーザーグループ内で、小売消費者向けのCBDCパイロットを開始した