6月5日に米国証券取引委員会(SEC)が提出したバイナンスに対する訴訟で「BAM CEO A」と記されたバイナンスUSの元CEOであるキャサリン・コーリーが、バイナンスの訴訟の中で再び表舞台に登場した。

コーリー氏は、2022年にバイナンスが内部取引について調査されていた際に、SECへ証言していた。その証言が、今回のSECの訴訟における証拠資料として浮上した。

コーリー氏の2022年の証言は相当に長いもので、6月6日の訴訟における証拠資料86の一部として引用されている部分は、ページ番号が135から336までと広範囲にわたる。その主な内容は、バイナンスとバイナンスUSの分離に関連している。これは、SEC訴訟の主要な指摘の対象であった。

コーリー氏は、2019年の創設から2021年の辞任までバイナンスUSのCEOを務めていた。SEC訴訟によれば、バイナンスCEOのジャオ・チャンポン氏(通称CZ)はコーリー氏の採用に関与していたが、彼女はすぐにバイナンスUSの独立性の欠如に不満を持つようになった。

SECの訴状は、2022年の証言から彼女の言葉を引用している。

「私はすべての完全な独立性を望んでいたが、それは当時、バイナンス・ドットコムとの4つのサービスレベル契約のいくつかのコンポーネントに依存していることを考慮すると、その時点では必ずしも可能ではなかったし、実現することもできなかった」

バイナンスとバイナンスUSとの間のサービスレベル契約は、マスターサービス契約、ウォレットカストディ契約、ソフトウェアライセンス契約、商標契約。

特にウォレット協定はコーリー氏を悩ませた。彼女は2022年に証言している。「少なくともU.S.チームが関与し、我々自身がトークンのカストディの管理を行えるよう、ウォレットとカストディの協定を望んでいた」と証言。取引データは協定に適用されていたようだ。「私はデータのカストディとリアルタイムでの生データを操作できることも必要だと考えていた」と彼女は述べている。

訴訟は、2022年の証言だけでなく、コーリー氏からの内部コミュニケーションからも引用している。これには、バイナンスUSの独立性を強化するための努力を「プロジェクト1776」と称し、洗浄取引について率直にやり取りしていたことも含まれている。