米証券取引委員会(SEC)とその委員長であるゲイリー・ゲンスラー氏をモチーフにしたいくつかの仮想通貨(いわゆるミームコイン)が、SECがコインベースやバイナンスに対して訴訟を起こしたことを受けて、価格が急騰している。その1つである「グッド・ゲンスラー(GENSLR)」は、6月6日にコインベースが未登録の証券を提供していたとのSECの提訴を受けて、数時間で260%以上も値上がりした。

Good Gensler (GENSLR) weekly price chart. Source: CoinMarketCap.

現在、グッド・ゲンスラーの時価総額は約320万ドルで、過去24時間の取引高は125万ドルを超えている。Etherscanのデータによれば、グッド・ゲンスラーは4月19日にローンチされ、同じくミームコインであるペペ(PEPE)のローンチから5日後になる。

同様に、ゲンスラー氏をモチーフにした別のミームコイン「ファック・ゲイリー・ゲンスラー(FKGARY)」も上昇し、DEXToolsのデータによると、過去48時間で530%以上も値上がりした。

All-time price chart of FKGARY token. Source: DexTools.

ゲンスラー氏だけでなく、SECを皮肉った別のトークン「SEC」も激しく値上がりした。この「SEC」は「Stupid Egotistical Cocksuckers」の略で、6月5日にローンチされ、翌24時間で驚異の15,530%の値上がりとなった。ただし、価格上昇は一時的であり、執筆時点でSECをモチーフにしたミームコインは、最高値から61%下落している。

5月には、リスクに飢えた投資家が巨額の利益を求めて、投機的なミームコインに熱狂した。しかし、当時人気を集めたミームコインのほとんどが価格が暴落している。記事執筆時点で、カエルをモチーフにしたミームコイン「PEPE」と人工知能が作成したトークン「ターボ(TURBO)」は、それぞれ最高値から73%、95%の下落となっている。ほとんどのミームコインには基本的な価値がなく、投資は高リスクとされており、価格変動が激しいことが多い。

本記事で取り上げたトークンの多くは、時価総額が小さく、流動性プールが低いため、価格変動が大きくしやすい。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン