仮想通貨市場は、6月10日に米国の規制当局による圧力を受け、特にアルトコインが大幅な下落に見舞われた。TradingViewのデータによれば、BTC/USDは前日の高値から1200ドル超下落し、1日の最安値は25,483ドルだった。

BTC/USD 1-hour candle chart on Bitstamp. Source: TradingView

SEC訴訟がアルトコインに波及

ビットコインは弱含んだものの、主要アルトコインと比べれば被害は軽微だ。アルトコインは、米国の規制当局が大手仮想通貨取引所に対して法的措置を講じたことを受けて、上場廃止を余儀なくされた。取引アプリのロビンフッドは、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスとコインベースを提訴した件で名前が挙がったいくつかの仮想通貨のサポートを取りやめると発表した

その結果、カルダノ(ADA)やソラナ(SOL)などの価格が急落し、記事執筆時点で過去24時間で約25%下落している。「ロビンフッドでは、定期的に取り扱っている仮想通貨を見直している」と同社のウェブサイトに記載されている。「最新の見直しに基づき、2023年6月27日午後6時59分(ET)をもって、カルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)のサポートを終了することに決定した」。

ADA/USD 1-day candle chart (Coinbase). Source: TradingView

Crypto.comのCEOであるクリス・マルザレク氏は、「今週の規制当局の動きを受けて、デリスティングが市場の売りを引き起こすことは予想されていた」とツイートしている。「仮想通貨業界はこの試練を乗り越え、以前よりも強くなることは間違いない」。Crypto.comは6月21日から米国の機関投資家向け取引サービスを停止すると発表している

200週間移動平均線が重要に

これらの出来事は、仮想通貨市場全体の時価総額に大きな影響を与え、トレーディング会社Eightの創設者兼CEOであるミカエル・ファン・デ・ポッペ氏は、さらなる悪化が予想されると警告している。

仮想通貨の時価総額が200週移動平均線(MA)を割り込むと、明確な下落シグナルとなる。現在、ビットコインの移動平均線は約26,400ドル近辺にある。「仮想通貨の総時価総額について、今週のようなキャンドルは見たくない」と彼はツイッターでフォロワーに伝えた。「200週MAを割ると、下降トレンドの継続が叫ばれる」。

Crypto market cap annotated chart. Source: Michaël van de Poppe/Twitter

ファン・デ・ポッペ氏は、他の人気トレーダーと同様に、アルトコインの買い増しに興味を示している。彼に同調するのは、Crypto Tony氏で、2023年には「驚くべきエントリー」が予想されると述べている

「これらのアルトコインの下落には、仮想通貨業界ではあまり見られないほど興奮している。今年後半には、いくつかの驚くべきエントリーが予想され、それらは非常に現実的だ」とCrypto Tony氏はツイートした。

しかし、既存のトレーダーにとっては、被害がすでに発生している。CoinGlassのデータによれば、6月10日の強制決済は、3億2000万ドルに上り、まだ終わっていない。また、ショートポジションでも7000万ドルが消失した。

Crypto liquidations chart (screenshot). Source: CoinGlass

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自分でリサーチを行って決定してください。