JPモルガンやゴールドマン、暗号資産商品の取り扱い状況-最新事情
Silla Brush、Katherine Chiglinsky、Matthew Leising-
バーゼル委は1250%という高いリスクウエートを適用する規制案公表
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暗号資産へのエクスポージャー提供の最適手段を金融機関は探る
暗号資産(仮想通貨)の荒っぽい世界に進出しようとしていた金融機関は、主要国の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会から今月に入りリスクへの鋭い警告を受けた。
バーゼル銀行監督委は10日、暗号資産でも特に裏付け資産のないビットコインなどに対し、1250%という極めて高い「リスクウエート」を適用する銀行の保有規制案を公表。不安定な市場で金融機関が関連商品やサービスを拡大すれば、金融の安定に著しいリスクが生じかねないと警鐘を鳴らした。
ビットコイン、最高リスクのカテゴリーに分類-バーゼル委が提案
顧客の関心の高まりを受け、米銀JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーは、急成長しているが価値が不安定なこの資産クラスへのエクスポージャーを提供する最適手段を探っていたところであり、バーゼル委の警告はそのタイミングで発せられた。
世界主要行の一部が提供する暗号資産関連の金融商品をブルームバーグが分析したところ、「用心深く」が引き続き合い言葉とはいえ、今年に入りサービス拡大の方法を検討する金融機関が増えた。
暗号資産先物は一部がクリアしているが、他のサービスはおおむね敬遠されている。6月18日時点で銀行がどの金融商品やサービスを扱い、何を扱っていないか、表にまとめた。
ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は今月の議会証言で、暗号資産のプリンシパル取引(相対売買)や大部分の暗号資産の保有が規制・監督当局により制限されていると説明した。
ソロモン氏は「ビットコイン先物はクリアしている。エクスポージャー拡大に関心を持つ富裕層の個人と機関投資家を中心に顧客に助言を提供しているが、エクスポージャーを増やすために彼らはよそに行くことが多い」と述べた。
一方、JPモルガンは世界で最も利用されるブロックチェーン(分散型デジタル台帳)プラットフォーム「イーサリアム」を長年支持し、そのプラベートバージョンをレポ取引に利用している。
ジェイミー・ダイモンCEOは議会公聴会で、同行は資金をどうすべきか顧客にとやかく言わないとしながらも、慎重であることの重要性を強調。顧客にとって「われわれが安全かつ適切と考える手段でそれを提供したいと考えている。なお検討中だ」と語った。
原題:Banks Chart Cautious Crypto Plans With Regulators Taking Aim (1)(抜粋)