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クレディSなどブロックチェーンを住宅証券に活用へ-検証試験に成功

  • ウェルズF、USバンコープ、ウエスタン・アセットも参加
  • 住宅ローン証券の追跡を容易にする手段として導入を目指す

スイス銀行2位のクレディ・スイス・グループなど主要金融機関で構成するグループは、2008年に国際銀行システムを崩壊の瀬戸際に追い込んだ住宅ローン証券化商品の復活に向け、仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーン(分散型デジタル台帳)の採用に動いている。

  クレディ・スイスと米銀ウェルズ・ファーゴ、USバンコープ、ウエスタン・アセット・マネジメントは18日、住宅ローン証券の追跡を容易にするブロックチェーン技術の導入に向けた検証試験に成功したと発表した。

  米証券業金融市場協会(SIFMA)によれば、民間の住宅ローン証券の発行残高は2007年のピークには2兆7000億ドル(約300兆円)に達した。しかし、多くの借り手が融資を返済できず証券化ローンの価格が急落したことで数兆ドルもの損失が発生し、これが金融危機の主な引き金となった。

  金融機関グループのまとめ役であるブロックチェーン新興企業「R3」のデービッド・ラター最高経営責任者(CEO)は18日の発表資料で、「仕組み証券は複雑でさまざまな当事者が関わり、手作業を必要とし、形式が異なる文書やデータの重複もある」と指摘。R3によれば、同グループは政府支援に関係しない住宅ローン証券を手始めに別のタイプの資産担保証券(ABS)にも対象を拡大し、次の段階で商業化を目指すという。

原題:Blockchain Eyed for Mortgage Bundling That Caused 2008 Crisis(抜粋)

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