ブロックチェーン企業、NYブルックリンに集積-高級住宅地化に貢献
Rob Urban、David M. Levitt-
ブロックチェーン新興企業コンセンシスがブルックリンに拠点構える
-
空き倉庫が復活しコンドミニアムが進出、カフェなどが出店
ニューヨーク・ブルックリンのブッシュウィック地区にあるその落書きだらけの建物は一見すると廃虚のようだ。だが、中に入ると200人の従業員が世界の変革を目指し、ノートパソコンのキーボードをたたいている。
これらは仮想通貨を支えるブロックチェーン(分散型デジタル台帳)技術の新興企業コンセンシスの従業員だ。同社は仮想通貨イーサリアムの共同創始者ジョゼフ・ルービン氏が共同で設立した。
コンセンシスは新たな事業をスピンオフ(分離・独立)し、事業パートナーを誘致。ブッシュウィックや、かつてニューヨーク市の工業中心地域の一つだった隣接するウィリアムズバーグで、仮想通貨業界が高級住宅地化に貢献している。空き倉庫が復活したほか、コンドミニアムが進出し、通りにはカフェやラーメン屋などが出店している。
ブロックチェーン開発企業クリプトノミックの共同創業者タイラー・クラーク氏は、「マンハッタンなどニューヨークの他の場所では見つけられないエネルギーがここにはある。われわれはコンセンシスから刺激を受けている」と話す。
この地域は今のところ「クリプトランディア」と呼ばれている。JPモルガン・チェースの元バイスプレジデントで、現在はクリプトノミックでクラーク氏のパートナーを務めるビシャク氏が名付け親だと伝えられている。
同地域に拠点を置くピアツーピア(P2P)仮想通貨交換業者エアスワップのストラテジスト、サム・テイバー氏は「われわれは金融業を変革するという使命を象徴するために、意図的にウィリアムズバーグで廃虚となっていた銀行を拠点に選んだ。これはブルックリンでのブロックチェーン旗揚げだ。伝統的な金融業はマンハッタンに本拠を置くが、未来の金融業はブルックリンにある」と語った。
原題:‘Cryptolandia’ Blockchain Pioneers Take Root in Hipster Brooklyn(抜粋)