仮想通貨投票し、アニメ制作支援 トーキョーオタクモード
アニメや漫画関連の海外販売を手がけるトーキョーオタクモード(米オレゴン州)は9日、コンテンツ流通向けの仮想通貨「オタクコイン」の構想を発表した。制作者支援や物販での支払いでの利用を想定する。海賊版を配信する違法サイトが広がるなか、適正な対価を支払う仕組みを自ら構築し、健全なコンテンツ市場の発展につなげる。
オタクコインはアニメや漫画の制作者とファンとの間で流通する仮想通貨。関連グッズの購入に利用できるほか、アニメなど新作プロジェクトを支持するための投票機能も持たせる。定期的に投票イベントを開催し、多くの支持を集めたプロジェクトに一定額のオタクコインを付与する。制作会社はオタクコインを日本円などに換金してコンテンツを制作する。
18年夏から秋にオタクコインを発行し、コインを保持するための専用アプリも配布する。仮想通貨「イーサリアム」をベースにした仕組みとして、1000億枚を発行する予定。39%をオタクコイン財団が確保し、運営費などに使い、56%はコンテンツ制作会社に提供する資金の原資とする。
残りの5%はアニメや漫画のファンに配布する。アニメなど配信サイトへの登録や視聴の特典として付与する。オタクコインを獲得すれば、好みの作品への投票に参加できることから「違法サイトではなく、正規のサービスに流れるという抑止力となる」と、トーキョーオタクモードの小高奈皇光最高経営責任者(CEO)は話す。
当初は、例えば1オタクコイン=1円といった固定額とするが、将来は変動価格の仮想通貨として取引所で流通させる。小高CEOは「ビットコインの時価総額は17兆円。オタクコインも100億、1000億と価値を持つようになれば、その分だけ日本のコンテンツ市場も活性化できる」と期待をかける。