決済はビットコインで、現金より現物-仮想通貨先物巡る競争激化
Alastair Marsh-
コインフロア共同創業者がコインFLEXのCEOに就く
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香港のコインFLEXはビットメックスと競合へ
期限を迎えたビットコイン先物の所有者への支払いが現金ではなくビットコインそのもの、つまり現物決済が可能な仮想通貨先物を巡る競争がヒートアップしている。
ニューヨーク証券取引所を所有するインターコンチネンタル取引所は近くそうした先物の提供を開始すると見込まれ、エリス・エクスチェンジも続く計画だ。そして、アジアの個人投資家向けに来月から他の主要仮想通貨の一部も対象とするデリバティブ(金融派生商品)を提供するのがコインフロアFXで、同社は今後「コイン・フューチャーズ・アンド・レンディング・エクチェンジ(コインFLEX)」と呼ばれる。
英国で最も古いビットコイン交換業者コインフロアの傘下でコインフロアFXとして昨年始まったプラットフォームがスピンオフ(分離・独立)し、コインFLEXとなる。オーナーは早くから仮想通貨を提唱してきたロジャー・バー氏やブローカーや資金運用担当者向けの取引ソフトウエアを開発しているトレーディング・テクノロジーズ・インターナショナルを含むコンソーシアム。コインフロアも一定の株式を保持する。
香港を本拠とするコインFLEXの最高経営責任者(CEO)に就くのは、コインフロアの共同創業者マーク・ラム氏。コインFLEXはビットコインとビットコインキャッシュ、イーサリアムの先物を扱い、20倍までレバレッジできる。
同社は最大級の仮想通貨交換業者の一つ、ビットMEX(メックス)と比較されることになりそうだ。米シティグループのトレーダーだったアーサー・ヘイズ氏が共同創業したビットMEXの香港での存在感は極めて大きく、同社が扱う一部先物では最大100倍のレバレッジが可能だ。
コインFLEXの際立つ強みは、同社が扱う全ての先物が現物決済されることだとラム氏は説明。おおむね規制の対象ではない市場で取引されるビットコインなどの仮想通貨は現金で決済するプロセスで操作があり得ると一部の大口市場参加者が指摘しているためだ。
ラム氏はインタビューで、仮想通貨デリバティブの成長を抑制している主因は現物決済の欠如だと指摘し、「現金決済取引となると信頼性の問題があり、売買高が減る」と語った。
原題:Crypto Exchange Takes on Behemoths With Physical Bitcoin Futures(抜粋)