インターコンチネンタル取引所傘下のバックトが14日、先物取引業者ローゼンタール・コーリンズ・グループ (RCG)の一部資産を買収したと発表した「今年の早い段階」でビットコイン先物の取引開始を目指すバックトは、買収によって規制面のコンプライアンス強化などを目指す狙いがある。

バックトは、現在、米商品先物取引委員会(CFTC)から現物受け渡しのビットコイン先物取引に対する承認を待ちの状態。RCGの資産買収によって、バックトのリスク管理や資金管理、アンチ・マネーロンダリング(AML)や顧客確認(KYC)といった規制機関からの要請に応える専門技術を獲得する狙いがあるという。

バックトのケリー・ローフラーCEOは、買収の狙いについて次のように述べた。

「我々のミッション達成のためには、技術への巨額投資が求められる。また、デジタル資産向けに最も信頼あるフィンテックのエコシステムを構築する上で、金融市場の専門知識も必要だ」

RCGは1923年設立した先物取引業者。先月には、顧客口座を商品ブローカーのマレックス・スペクトロンに売却すると発表していた。

バックトは、ニューヨーク証券取引所を傘下に持つインターコンチネンタル取引所が昨年8月に立ち上げた仮想通貨プラットフォーム。現物受け渡しのビットコイン先物が最初の商品と発表したものの、バックトは当初の開始予定日だった1月24日を延期し、開始日を「2019年の初め頃」と発表している

米政府機関の一部閉鎖は過去最長

米政府機関の一部閉鎖は12日目に突入し、過去最長を記録した。

CFTCが通常通り運営していないため、バックトのビットコイン先物取引開始も遅れるのではないかという懸念の声が出ている。また同様にSEC(米国証券取引委員会)が審議しているビットコインETFの最終期限は2月27日となっているが、政府機関閉鎖の影響がこれにも出る可能性がある。

市場が注目する2大ポジティブ材料に思わぬ形で逆風が吹くかもしれない。

バックト(Bakkt)とは、インターコンチネンタル取引所(ICE)が設立した会社であり、仮想通貨をより実用的に使用するためのプラットフォームの確立を目指している。親会社であるICEはインターネットを用いた電子取引所による高速売買を売りに成長を遂げ、現在はニューヨーク証券取引所など世界有数の取引所を傘下に持ち、かつ決済機関も運営している。バックトは仮想通貨を日常生活の中で安全・迅速に利用するため大規模な仮想通貨プラットフォームの確立を目指す目的で設立された。また現物受け渡しのビットコイン先物取引の開始を始めることで注目を集めている。

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