仮想通貨換金業者、2億円所得隠し 個人間取引で
仮想通貨の換金を代行する業者が東京国税局の税務調査を受けて2018年5月期に約2億円の所得隠しを指摘されていたことが9日、関係者への取材で分かった。この業者は個人間で取引された仮想通貨を現金に換金する事業などを手掛け、手数料を得ていたが一部しか申告していなかった。
業者は「FORBES」(東京)。仮想通貨を仲介者経由で受け取り、金融庁に登録された交換業者で換金し、換金額の数%を手数料として得ていた。18年5月期の売上高は約6億円。他の経理ミスも含めた申告漏れ総額は約2億5000万円で法人税の追徴税額は重加算税を含めて約1億円とみられる。
仮想通貨の個人間取引はかねて「税逃れの温床になっている」(業界関係者)との指摘があった。今回は仮想通貨を現金に換金する業者に国税当局の"メス"が入った形だ。仮想通貨の取引で得た利益は一定の金額を超えると申告が必要だが、秘匿性の高さから適正に申告していない人も多いとみられる。
今後、仲介者への調査なども経て、個人取引の実態把握や税逃れを行っている個人の特定まで迫れるかが、国税当局の課題となる。