ビットコイン一時7500ドル突破、機関投資家マネーの流入期待(市場点描)
仮想通貨を含む投資商品を選びたい米国の機関投資家は72%――。米運用大手フィデリティ・インベストメンツが米国で実施した仮想通貨投資の意識調査で明らかになった。ビットコイン価格が12日(日本時間)に7500ドル台と、約9カ月ぶり高値をつけた背景には機関投資家からの新規マネーの流入期待があるようだ。
441の機関投資家を対象に、2018年11月から19年2月に実施した。仮想通貨への投資姿勢については22%が「仮想通貨に投資している」と答えた。「今後仮想通貨を直接保有したい」との回答も57%に上った。
仮想通貨の評価ポイントとしては46%の投資家が「その他の資産との相関性が最も低い」点を挙げた。株式や債券など伝統的な資産の代替になる投資先としての関心が高い。こうした思惑を反映する形で、足元のビットコイン価格は上昇基調にある。情報サイトのコインデスクによれば、ビットコインのドル建て価格は9日に6000ドルを突破したのもつかの間、12日には7500ドル台に上昇。13日も7000ドル前後で推移している。
この数カ月で決済手段としての仮想通貨の利便性が急速に高まったわけではない。価格だけがするすると上昇しているのは世界のカネ余りの断面と言えるかもしれない。
仮想通貨とは紙幣や硬貨といった実物がなく、インターネット上でやり取りするお金を指す。専門の取引所を通じてドルや円などの通貨と交換できる。代表的な仮想通貨としてビットコインがある