KADOKAWA Technology Review
×
イーサリアム財団、大規模アップグレードに3000万ドル投資
Justin Saglio
ブロックチェーン 無料会員限定
Ethereum’s foundation is pumping $30 million into “transformative” upgrades

イーサリアム財団、大規模アップグレードに3000万ドル投資

イーサリアム財団は、「イーサリアム 2.0」をはじめとする主要なイーサリアム関連プロジェクトに合計3000万ドルを拠出する。だが、財団が巨大な力を持つことは、非中央集権化のイーサリアムの理想との矛盾もある。 by Mike Orcutt2019.05.31

イーサリアムに中心は存在しないかもしれないが、鼓動する心臓に似たものは確実に持っている。スイスに拠点を置くイーサリアム財団は、「世界のコンピューター」を作るという目標に欠かせない研究者や開発者を多数雇用するだけでなく、コミュニティの野心的なビジョンのために、精神面や財政面の支援をエコシステム全体に注入している。結局のところ、世界を変える作業では、ときには心がくじけたり、高額な資金が必要なこともあるのだ。

5月21日に投稿されたブログ記事の中でイーサリアム財団は、今後12カ月で「主要な」イーサリアム・プロジェクトに3000万ドルを割り当てる方法についてほのめかしている。資金の大部分は、同財団が「全流通コインの約0.6%(およそ1億5500万ドル)に相当する分量」と述べている財団保有のイーサから調達される。

第一の優先事項は、「イーサリアム 2.0(ETH 2.0)」だ。以前から約束されている、プルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークへの切り替えをはじめとするソフトウェア・アップグレードである。この切り替えは、ブロックチェーン上の情報についてネットワークが合意に達する方法の大転換となる。新システムでは「採掘者(マイナー)たち」は採掘に参加するのに大量のコンピ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る