日本の国税庁にあたる米国内国歳入庁(IRS)は、テクノロジー企業大手に対して、顧客の仮想通貨に関連する報告を要求することを検討していることが、IRSのプレゼンテーション資料から明らかになった。公認会計士兼仮想通貨税務の専門家ローラ・ウォルター氏が7月9日にツイートするとともに、181ページからなる全データを公開した。

公開されたデータによると、IRSは、納税者がどのような仮想通貨関連アプリをダウンロードしたか確認するため、アップル、グーグル、マイクロソフトなどの企業に対して、起訴に関する決定を行う大陪審が発布する召喚状の使用を望んでいるという。召喚状は関連資料提出や証人召喚を要求するもので、企業側に自主的な作業を求め、証拠の未提出や隠滅した場合は法廷侮辱罪や司法妨害罪などの制裁を課す。

ウォルター氏によると、公開したプレゼン資料データはIRSの刑事捜査部門の捜査官を対象としたものという。同氏は、データを引用し、税務当局が仮想通貨を含む脱税事件を見つけ出すために徹底的な調査を行っていると結論付けた。また同様に、IRSは、オープンソースソフトウェア、ツイッターやフェイスブックなどのSNS、検索関連で証拠収集のためのインタビューも実施を検討していると指摘した

181ページのPDF化データには、次のような文面が掲載されていた。

「被疑者の完全なアプリダウンロード履歴については、アップル、グーグル、マイクロソフトに対し、大陪審による召喚状の利用を検討する必要がある。仮想通貨の送金・取引などを行えるかどうか判断するには、各アプリの機能を調べる必要がある」

またウォルター氏は、IRS捜査官による調査に悪影響を与えないように、仮想通貨の使用に関する情報取得について納税者に通知しないことが、今回の資料に記載されていると強調した。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版