世界銀行、2度目のブロックチェーン債販売。今回は36億円調達

世界銀行は、その画期的なブロックチェーン債を再び販売した。今回が2度目となる。

RBCキャピタル・マーケッツ(RBC Capital Markets)およびTDセキュリティーズ(TD Securities)とともに債券の販売を委任された豪コモンウェルス銀行 (Commonwealth Bank of Australia=CBA)によると、世界銀行はブロックチェーンを使った新たな債券「bond-i」を販売し、今回は5000万豪ドル(約36億円)を調達した。

新規、および既存の投資家が参加した、とCBAは述べている。

世界銀行がこれまでに発行したbond-iの総額は1億6000万豪ドルに上る。世界銀行が最初のbond-i債券を発行したのは1年前。当時同行は、1億1000万豪ドルの調達に成功したと発表している

CBAによると、イーサリアムのプライベート・チェーン上で発行・管理される同債券は「分散型台帳技術で作成、分配、移動、管理される初の債券」。

世界銀行資金調達部門のトップであるアンドレア・ドーア(Andrea Dore)氏は「投資家やパートナーから継続的で強力な支援と協力が得られることを嬉しく思う」とプレスリリースで述べた。「加盟国経済の生産性を高め、持続可能な開発目標(SDGs)に向けた進展を加速させるために、加盟国と協力してデジタル化を推進していく上で、世界銀行の資本市場におけるイノベーションと経験は重要だ」

bondi-iのブロックチェーン・プラットフォームを開発したのは、CBAのブロックチェーン・センター・オブ・エクセレンス(Blockchain Centre of Excellence)。

「CBAは、ブロックチェーン技術を用いて債券を発行し、その後の債券管理、流通市場における取引、タップ発行を1つのプラットフォームで実現している。その経験から、ブロックチェーン技術が既存のマーケットインフラを超える、新たなレベルの効率性、透明性、リスク管理能力を提供できるという確証を得ている」とCBAのブロックチェーン、およびAI部門のトップあるソフィー・ギルダー(Sophie Gilder)氏は先週発表されたリリースで語った。また、同氏は以下のようにも述べている。

「次に、我々は、決済、保管、規制遵守をより効率化するための機能を追加するつもりだ」

今年5月、世界銀行とCBAは、ブロックチェーンを利用して、流通市場における債券の取引を記録し始めた。

翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:World Bank image via Shutterstock
原文:World Bank Sells $33.8 Million More of Its Private Ethereum Blockchain Bonds