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Photographer: Bloomberg/Bloomberg
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ビットコイン長者、「業界への愛情」失った-今は金を稼ぐ話ばかり

  • 仮想通貨、最近はただの投機手段となったため幻滅-ケナ氏
  • かつての集まりは「テクノロジーおたく」でいっぱいだった

仮想通貨の黎明(れいめい)期にビットコインで億万長者になったジェレッド・ケナ氏は9月下旬に「業界への愛情を失った」とツイートした。

  同氏は先週、米テキサス州から電話インタビューに応じ、仮想通貨草分けの時代には「皆で内容のある話をした。金もうけについて話す人はほとんどいなかった」と語った。 「今は金を稼ぐ話ばかりだ」と言う。

  ケナ氏(37)は現在、0.5ビットコイン(約4000ドル=約42万7000円相当)しか所有していないという。かつては数千ビットコインを保有していた。同氏は米国初の仮想通貨交換業者であるトレードヒルを率いているが、一獲千金を狙って業界に入ったのではなく、世界を変えるためだったと話す。

  しかし仮想通貨は近年、決済革命を起こし銀行システムに挑戦する代わりに、ただの投機手段となったため、幻滅したという。

jered kenna GETTY Sub

ジェレッド・ケナ氏

  同氏は数年前、ビットコインを買うために家を抵当に入れるように勧める宣伝をカーラジオで聞いて驚愕(きょうがく)。スタートアップ企業が主にリテール投資家に仮想通貨を売却して資金調達する新規仮想通貨公開(ICO)で、企業が資金を持って姿を消したり実際に商品を生み出さなかったりした2017年のブームにもがっかりした。

  最近は交換業者を介したICOが盛んになったが、内実は総じて同じくらいひどいだろうとは同氏は話す。 

Bitcoin has surged since introduction

  ケナ氏によると、仮想通貨に関わった古くからの友人の多くも同氏と同じように感じている。ただ、今でも金もうけになるので業界に距離を置く人はほとんどいないという。

  「先週マイアミで仮想通貨のイベントに参加したが、男性を探している美しいモデルでいっぱいだった。 変わってしまったと思った」と、同氏は『テクノロジーおたく』でいっぱいだったかつての集まりを振り返って語った。

原題:An Early Bitcoin Millionaire Loses ‘Love for the Industry’ (1)(抜粋)

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