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ステーブルコイン「最高度の規制基準」を満たす必要-クーレ氏

  • クーレECB理事はステーブルコイン巡るG7作業部会を率いる
  • 17日に作業部会の報告書を発表する予定、「枠組みを示す」

価格変動を抑えるため法定通貨と連動するなどした「ステーブルコイン」と呼ばれるデジタル通貨を巡り、主要7カ国(G7)の作業部会を率いるクーレ欧州中央銀行(ECB)理事は、中銀に革命の波をもたらすものであり、早急に対応する必要があるとの見解を示した。

  クーレ理事は10日、ステーブルコインに関するG7報告書の公表を前にフランクフルトでインタビューに応じ、「ステーブルコインは最高度の規制基準を満たし、一段と広範な公共政策目標に従う必要がある」との考えを示した。また、公的機関による仮想通貨が将来誕生すると「個人的に確信している」とも述べた。

  同理事は、「通貨の性質は変わるだろう」とし、「技術の恩恵を得られるようわれわれは適応しなければならない」とコメント。「人々が使う通貨についてはイノベーションと安全性との二律背反はあり得ない」とも語った。

  この数年、ステーブルコインが注目を集めるとともに、世界の金融システムと競合する潜在力を持つ「リブラ」の発行計画をフェイスブックが6月に発表したことで、世界各国は対応に動いた。

  クーレ理事は、サンドボックスアプローチと呼ばれる、革新的な金融技術に関して分野を限定して緩やかに規制する手法に言及。その上で、「最近までわれわれはフィンテック規制にサンドボックスアプローチを用いてきた。このアプローチの下でプロジェクトにチャンスを与え、実際にリスクがどのように顕在化するかを検証できた」とし、「しかし現在、サンドボックスの中にいるのは象のように巨大な存在であり、このアプローチはもううまく行かなくなった」と説明した。

  リブラが発行されれば全世界で24億人のユーザーの即時決済を可能にする見込み。ただ、規制当局などからの圧力を背景に、「リブラ」の運営を担う「リブラ協会」への参加見送りが相次いだことから、リブラの将来に暗雲が垂れ込めた。

  クーレ理事は17日に公表する予定のステーブルコイン報告書について、「枠組みを示す」ものだとした上で、「議論を系統的に進めるのに役立つ」と説明した。

原題:Facebook Elephant Marks End of Light Touch on Digital Currencies(抜粋)

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