インフラがなくても大丈夫…21歳の仮想通貨長者が人工衛星からガーナの学校へ送金

Rebecca Aydin
Dec. 23, 2019, 04:30 AM テックニュース
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21歳で320万ドル相当のビットコインを保有するエリック・フィンマンは、｢クリプト・スペース・ドロップ｣を成功させた。

Erik Finman

エリック・フィンマンは12歳だった2011年に、1000ドル相当のビットコインを購入。その頃、1ビットコイン（BTC）は10ドルから12ドルだった。現在、446BTCを保有し、2019年12月13日の時点で320万ドル（約3億5000万円）に相当する。
彼は2019年11月、ガーナのグレーター・アクラ州にある学校に向けて、｢クリプト・スペース・ドロップ｣を成功させた。宇宙空間に浮かぶ人工衛星から、学校のアンテナに向けてビームを放つように暗号通貨を送金したのだ。
フィンマンは、きちんとしたインフラがない場所にも、衛星経由で仮想通貨が送信できると考えている。

ビットコイン（BTC）でミリオネアとなり、高校中退、現在21歳のエリック・フィンマン（Erik Finman）は、2019年11月、ガーナのグレーター・アクラ州にある学校に、宇宙からビームを放つように暗号通貨を送金した。

フィンマンは12歳だった2011年に、1000ドル（約11万円）相当のビットコインを購入した。その頃、1BTCは10ドルから12ドルだったが、2019年12月13日の時点で1BTCは7243ドル（約80万円）で、彼が保有する446BTCは320万ドル（約3億5000万円）に相当する。

フィンマンは彼の最新の取り組みを｢クリプト・スペース・ドロップ｣と呼んでいる。これは、衛星コンステレーション（GPSのように複数の人工衛星を連携させて1つの機能やサービスを実現するシステム）を通して、地球上のアンテナに向けて暗号通貨を送信するものだ。インフラがまったく、あるいはほとんど整備されていないコミュニティでも利用できると、彼はBusiness Insiderに語った。

｢機能的なインフラ、送金のインフラ、金融インフラなどを持たない、もっとも辺鄙なところ｣でも、クリプト・スペース・ドロップが実用化できることを｢証明したかった｣という。

フィンマンは、1000ドル相当の仮想通貨メタル（MTL）を、クリプト・スペース・ドロップを通してガーナのグレーター・アクラ州、コレゴンノにあるセントメアリー学校に送信した。この資金は校舎の屋根の修理や椅子と机の製作に利用された。

MTLとは、フィンマンも出資して8月に開設した仮想通貨プラットフォーム｢メタルペイ（Metal Pay）｣で取り引きされる仮想通貨のこと。彼はメタルペイを｢リブラ・キラー｣と呼んでいる。｢必要であれば、このプラットフォームのために保有するすべてのビットコインを賭ける｣と、メタルペイの広報ビデオで述べた。

衛星コンステレーションを構成する衛星の1つは、フィンマンが2018年に打ち上げを支援した。2018年12月、10代の若者のグループが仮想通貨ウォレットを搭載した衛星を打ち上げる｢プロジェクト・ダ・ヴィンチ｣が、フィンマンのリードで進められた。これはNASAの｢ナノサテライト教育打上げプロジェクト｣の一環で、STEM（科学・技術・工学・数学）に秀でた学生を集め、超小型衛星の打ち上げを体験させるというもの。

｢クリプト・スペース・ドロップ｣がどのように行われたのか見てみよう。