銀行業界のブロックチェーン活用…成功事例と失敗事例【レポート】

• この記事はビジネスインサイダー・インテリジェンスのプレミアム・リサーチ・レポート｢銀行業におけるブロックチェーン（Blockchain in Banking）｣のプレビュー版。レポート完全版（有料）はこちらから

ブロックチェーン活用を阻むさまざまな障壁

約10年前に登場してからというもの、ブロックチェーンは金融サービスに最も大きな変革をもたらす技術のひとつとして持てはやされてきた。期待の高まりから多くの金融機関が、ブロックチェーンやその他の分散台帳技術に投資してきた。ブルームバーグが引用するGreenwich Associatesの調査によると、その金額は、2018年時点で年間17億ドル（約1830億円）にもなる。

しかし金融機関が新技術の実用化に苦戦し、投資の回収が進まないなか、期待は徐々に懐疑へと変わりつつある。実験段階で停止されたプロジェクトもあり、最近では金融機関幹部がブロックチェーンを論じる際には、悲観的な声も聞かれるようになった。

ブロックチェーンの課題はいくつかある。商業利用のための大規模な展開が難しく、当局からの規制も定まっていない。また、競合する関係者どうしの協働も一筋縄ではいかない。

さまざまな問題はあるにせよ、ブロックチェーン技術を活用すべき具体的な領域が、以前よりも明確になってきており、いくつかの企業は、この技術の導入と活用に本腰を入れ始めている。成果を上げている企業は、業界に広がる悲観的な見方に異を唱えながら、この分野の先駆者となるべく動いている。

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート｢銀行業におけるブロックチェーン｣では、いち早くブロックチェーン技術を取り入れた大手銀行4行の成功事例と失敗事例を参照しながら、金融機関がブロックチェーン技術導入を成功に導くために実行可能な施策を提示する。

本レポートで言及される企業：

Australia and New Zealand Banking Group (ANZ), Bank of America (BofA), Citi Bank, CME Group, Fidelity Investments, HSBC, IBM, JPMorgan, Marco Polo, Mastercard, Nasdaq, PayPal, Ripple, Royal Bank of Canada (RBC), Santander, SWIFT, Visa

本レポートのキーポイント：

• ブロックチェーンは、金融サービス業界における諸課題を解決する手段として、数多くの先端技術のなかでも特に大きな期待が寄せられてきた。
• こうした盛り上がりにもかかわらず、金融機関はブロックチェーンの実用化に苦戦しており、この技術の有効性を疑う声も聞かれ始めている。主な課題はスケーラビリティ、実効性、信頼性、そして規制面での不確実性だ。
• 課題は多いが、ブロックチェーンは金融サービスのプロセスに変革をもたらす可能性を秘めている。大手銀行はそれぞれ独自の試みを通して、活用領域としてどこが適しているのかを見極めている。各行の取り組みの成功の度合いはさまざまだ。
• ブロックチェーンを効果的に活用するために、意思決定者が最初にすべきことは何か。ひとつは、自社がこの技術の導入に、どの程度コミットできるのかをはっきりさせること。もうひとつは、この技術を使って解決が見込める具体的な事業課題を特定することだ。ブロックチェーン活用に向けた戦略構築に着手するのは、これらをクリアしてからでなければならない。

本レポートの完全版では：

• 金融機関のブロックチェーン技術導入を阻んでいる主な障壁について詳しく解説する。
• 業界各社が連携して進めるブロックチェーン活用事例のうち、最も将来性のあるものをあきらかにする。
• 早くからブロックチェーン技術の導入に着手していた大手4行の取り組みを紹介。成功事例（JPモルガン、HSBC）と、失敗事例（シティバンク、バンク・オブ・アメリカ）の両方に学ぶ。
• ブロックチェーンの活用を成功に導くために、銀行が実行可能な施作を提案する。

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［原文：BLOCKCHAIN IN BANKING: An inside look at four banks' early blockchain technology successes and failures］

（翻訳・野澤朋代、編集・佐藤葉）