Reuters
- JPモルガンの8月上旬のメモによると、個人投資家のオルタナティブ投資は世代によって好みが真っ二つに割れているという。
- 上の世代は金(ゴールド)に、ミレニアル世代はビットコインに押し寄せていると、アナリストたちは指摘した。
- 「2つのグループは『代替』資産に対する好みの違いを示している」と、Nikolaos Panigirtzoglou氏率いるアナリスト・チームは書いている。
- 金の価格は先週、1オンス2000ドル(約21万円)の節目を突破した。ビットコインの価格は7月下旬、1万1000ドルを超えた。
JPモルガンの8月4日付けのメモによると、個人投資家のオルタナティブ投資は世代によって好みが真っ二つに割れている。
上の世代は金(ゴールド)に、ミレニアル世代はビットコインに押し寄せていると、アナリストたちは指摘した。
「2つのグループは代替資産に対する好みの違いを示している」と、Nikolaos Panigirtzoglou氏率いるアナリスト・チームは書いた。「年長者のグループは金を好む一方、若年者のグループはビットコインを好む」という。
メモによると、それぞれのグループが代替資産と見なしている金とビットコインそれぞれの価格に連動するETFは、どちらもここ5カ月、資金流入が大幅に拡大している。
また、ミレニアル世代の若者たちは株にも魅力を感じていて、中でもテック関連株が好きだという。一方、上の世代の投資家たちは株を売っていると、チームは書いた。
アナリストたちは「アメリカの個人投資家の若年者グループは、債権ファンドにほとんど興味を示していない」とした上で、「彼らは株式ファンドも避けて、テック株を中心に個別銘柄を買って株式に直接投資することを好む」と指摘した。
「年長者グループは余った資金を債券ファンドに投資し続けていて、6月も7月も堅調だった」という。
ミレニアル世代によるアメリカの株とビットコインの並行買いが、3月以降のビットコインとS&P 500種指数の相関を高めたとJPモルガンは指摘している。
「同時に資金が流入したことで、ビットコインと他の資産の間の相関パターンに変化が生じた。アメリカのミレニアル世代がビットコインをドルの『代替』と見なす中、ビットコインと金だけでなく、ビットコインとドルの間にもよりポジティブな相関性が生まれた」
トレーダーがいわゆる"安全な避難先"である貴金属に押し寄せ、アメリカのさらなる景気刺激策が期待される中、金の価格は先週、1オンス2000ドルの節目を突破した。
「市場の不安を測る基準として機能している金は一夜 —— 西側諸国が新型コロナウイルス危機に見舞われる前の1オンス1500ドル弱から4カ月半 —— にして史上初めて1オンス2000ドルの節目を突破した」と、SpreadExの金融アナリストであるコナー・キャンベル(Connor Campbell)氏はメモの中で述べた。
ドル安とオルタナティブ資産へのシフトが広がる中、ビットコインの価格は7月下旬、約1年ぶりに1万1000ドルを超えた。
(翻訳、編集:山口佳美)