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中央銀行デジタル通貨の「攻め」と「守り」-ECBによるデジタルユーロの取り組み
経済研究部 主任研究員 高山 武士
- 世界の主要国で中央銀行デジタル通貨に関する検討が加速しており、背景には民間でのデジタル通貨、特にステーブルコインの発行、流通や中国のデジタル人民元の取り組みなどがあると見られる。
- ユーロ圏の中央銀行であるECB(欧州中央銀行)は2020年10月に「デジタルユーロに関する報告書(Report on a digital euro)」を公表し、2021年半ばに向け、ユーロシステムがデジタル通貨プロジェクトを立ち上げ、検討を進めていくかを決定するための、土台としての調査結果および課題を提示している。
- また、日本でも日本銀行がCBDCの取り組みを進めている。本稿では日本の検討事項との比較も行いつつ、ECBによるデジタルユーロの取り組みについて紹介したい。
- CBDCの導入については、同じCBDCでも、各国によって動機(「攻め」)や課題(「守り」)へのウエイトの置き方、それをどうすれば解決されるのかについては、状況は異なってくるだろう。
- 今後はそれぞれ特有の事情を勘案して、CBDCに関する今後の取り組み方針への政治的な判断がなされると思われる。CBDCの導入の意思決定や、導入する場合のタイムスケジュールなど未定な部分も多いが、引き続き各国の動向について注視していきたい。
■目次
1――はじめに
2――CBDCの「攻め」と「守り」
1|日本の場合
2|ユーロシステムの場合
3|中央銀行に共通する「守り」
3――終わりに
補論1――デジタルユーロの中核的原則と満たすべき要件
1|中核的原則
2|シナリオ固有要件
3|一般要件
補論2――法的議論、機能設計、技術的議論
1|法的議論
2|機能設計
3|技術的議論
03-3512-1818
- 【職歴】
2002年 東京工業大学入学(理学部)
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
公式SNSアカウント
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