ビットコイン、初の6万ドル 時価総額はIT大手並み
【シリコンバレー=白石武志】暗号資産(仮想通貨)のビットコインが13日、初めて6万㌦台をつけた。2月21日に付けた直近のピーク(5万8000㌦台)を大きく上回り、2020年末からの上昇率は約2倍に達した。機関投資家や企業によるビットコイン投資の裾野が広がるとの期待から、投機的な売買も過熱している。
情報サイトのコインデスクによるとビットコインの価格は米西部時間13日午前に6万㌦台まで上昇した。時価総額は米グーグルの親会社であるアルファベットの時価総額に匹敵する規模になっている。ただその後は6万㌦を下回る場面もあった。
金融緩和による「カネ余り」で資金流入が続いていたビットコイン相場に新たな刺激を与えたのが、米起業家のイーロン・マスク氏だ。同氏が率いる米電気自動車(EV)メーカーのテスラは2月8日、15億㌦相当のビットコインを購入し、将来的に自社製品のビットコイン支払いにも対応すると表明した。
その後、米銀大手バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは暗号資産の管理サービスを2021年後半に立ち上げると発表したほか、米マスターカードも法定通貨を裏付け資産とする「ステーブルコイン」に限って仮想通貨による決済を受け入れる方針を示した。仮想通貨の取引に必要なインフラが整うことで、機関投資家や企業、個人による投資の裾野が広がるとの期待が高まっている。
こうした動きが個人投資家の投資意欲を刺激し、足元で短期的な値ざやを狙った売買を促している側面もある。ただ、株式などとは異なりビットコインの本源的な価値は算出が困難とされる。1日で10%以上値動きすることもあり、テスラが想定するような決済通貨としての普及を難しくしている。
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