コインベースの創業者兼CEOのブライアン・アームストロング。2019年5月15日撮影。
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- コインベースは2022年にサンフランシスコにある旧本社を閉鎖すると発表した。
- 同社はすでに、分散化計画の一環として、その場所を通常のオフィスに格下げしている。
- この決定は、仕事の成果が場所ではなく、能力と結果に基づいていることを意味する、とコインベースは述べている。
仮想通貨取引プラットフォームのコインベース(Coinbase)は2月、分散型企業になるという計画を推進するためにサンフランシスコ本社を通常のオフィスに格下げすると発表した。同社は現在、そのオフィスを完全に閉鎖しており、同時に「リモート・ファースト」戦略を推進している。
そして同社は5月5日(現地時間)、2022年にサンフランシスコのオフィスを閉鎖すると発表した。
コインベースは、リモート・ファーストになることを宣言している。先ごろ本社をなくしたことを発表したが、次のステップとして、2022年にサンフランシスコのオフィス(旧本社)を閉鎖する。
「我々は本社を持たないと宣言している。分散型の従業員に対して、ある場所が他の場所よりも重要でないことを示すのが重要だ」と同社はツイッター(Twitter)で述べた。
さらに「サンフランシスコ・オフィスの閉鎖は、どのオフィスも非公式な本社とならないようにするための重要なステップだ。仕事の成果は場所ではなく、能力と結果に基づいて決定される」と付け加えている。
そしてその代わりに、従業員には「必要に応じて仕事ができる」小規模オフィスのネットワークを提供するという。
企業が従業員を自宅で永続的に働けるようにする機運が高まっている。
フェイスブック(Facebook)、ツイッター、セールスフォース(Salesforce)、フォード(Ford)は、パンデミック後も従業員はリモートで働くことができると述べており、オフィスの賃貸契約を解除する企業も出てきている。
コインベースのCEOであるブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)は2020年5月に、パンデミック後は「リモート・ファースト」になると述べた。アームストロングは「大多数の」スタッフは、希望すれば自宅で仕事をすることができるが、オフィスで仕事をすることも可能だと述べている。
アームストロングは当時のブログで、「リモートワークはこれからも続くというだけでなく、我々にとって大きなチャンスと戦略的優位性をもたらすものだと確信している」と述べた。その中には、より多くの人材にアクセスできることも含まれている。
また、長期的なビジョンとして、1つの都市に10フロアのオフィスを持つのではなく、1フロアのオフィスを10都市に持つことを目指しているとも述べている。
パンデミックの間、労働者と企業の双方がリモートワークの利点を考慮して、シリコンバレーから「脱出」していることが報じられた。実際にフロリダやテキサスなどの低税率の州への移住が急増している。アームストロングは2月、サンフランシスコ・オフィスのほぼ30%に当たる約150人の社員が、2020年1月以降、リモートワークをするために同市を離れたと発表した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)