マスク氏のビットコイン方針転換、仮想通貨業界関係者の反応さまざま

電気自動車（ＥＶ）メーカー、テスラ創業者で世界２位の富豪であるイーロン・マスク氏がビットコインによる支払い受け入れを停止したことを明らかにし、仮想通貨の熱心な信奉者は大きな衝撃を受けた。

　　マスク氏はほんの数カ月前、テスラがビットコインに総額15億ドル（約1650億円）を投資したと発表したばかりで、ビットコイン採掘は再生可能エネルギーの普及促進に実際役立っているとの調査を引用したスレッドに「その通りだ」とツイートしていた。

　　そのマスク氏による方針転換に、仮想通貨業界から以下のような声が上がっている。

高値更新が待っている

　　ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのデービッド・グライダー氏は「今回の下げはビットコインが高値を更新するお膳立てとなるかもしれない」と語った。マスク氏発言の「ニュースは誇張されており、テスラが仮想通貨を『よりグリーンに』する計画を示唆しても驚きではない」と続けた。グライダー氏は12日のリポートで、ビットコインは数カ月にわたり値固めを続けているが自身は依然強気だとし、目標価格を10万ドルとした。

つじつま合わない

　　仮想通貨交換所ルノのアジア太平洋地域責任者、ビジェイ・アイヤー氏は、「テスラが１月にビットコインを会社の準備資産として購入したことを考えると、大まかに言ってやや意外だ。ビットコインを価値保管の手段として使用しようと取引手段として使用しようと、環境に関する議論は変わらない」と電子メールで指摘。「従って、つじつまが合わない。このような場合、たいていは明らかにされていない動機があるものだ」と続けた。

信じない

　　発言を信じないという反応も一部で見られた。

　　アーク・インベストメント・マネジメントの仮想通貨アナリスト、ヤシン・エルマンジュラ氏は、マスク氏のツイートへの返信で「アカウントがハッキングされたのではないか」と問い掛けた。

買いの好機

　　長年の仮想通貨信奉者でデジタル資産会社ジェミニ・トラストの共同創業者キャメロン・ウィンクルボス氏は、「後で振り返って見ると、素晴らしい買いの好機だった」とツイートした。

原題：
What Crypto Insiders Think About Elon Musk’s Bitcoin U-Turn（抜粋）