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法定通貨にビットコイン、エルサルバドル 世界初

(更新)
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【メキシコシティ=宮本英威】中米エルサルバドルの議会は8日、代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインを法定通貨にする法案を賛成多数で可決した。ビットコインの法定通貨の採用は世界で初。仮想通貨は利便性が高いものの、不安定な価格変動は通貨の基本機能である決済上のリスクになる。法定通貨として定着するかは予断を許さない。

ブケレ大統領が「History!(歴史が動いた)」とツイートし、議会が賛成多数で可決したと表明した。90日後に法制化される。「ビットコイン法」と名付けられた法案では、ビットコインで税金の支払いが可能になる。すべての経済主体はビットコインでの支払いを受け入れる必要がある。ビットコインと米ドルの交換レートは「金融市場で決まる」とした。

ブケレ氏によると、エルサルバドル国民の約7割は銀行口座を持っていない。法案提出の理由として「金融包摂」をあげた。送金が容易なビットコインの活用が進めば、外国で働く労働者からエルサルバドルの親族への送金が増える可能性がある。

ビットコインは、政府や中央銀行による管理が十分に行き届かない。エルサルバドルの企業との取引に影響が出る可能性を懸念する声もある。

エルサルバドルの人口は640万人。2001年に法定通貨として米ドルを採用した。治安の悪化や貧困が理由で米国に多くの移民を送り出している。外国からの送金額は国内総生産(GDP)の約2割を占めており、経済にとって重要な役割を果たしている。

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