キューバ、仮想通貨取引を登録対象へ ドル代替で利用増
【メキシコシティ=宮本英威】カリブ海の島国キューバは暗号資産(仮想通貨)での商用取引を登録対象とする方針を示した。ビットコインなどの取引をする場合は、当局の認可を受ける必要が出てくる。米国の経済制裁でドル取引が難しくなるなか、仮想通貨の利用が増えているのに対応する。
キューバ中央銀行の総裁名義で26日付の官報に公示した。今後20日間で発効する。「社会経済的な目的」での利用を求める。仮想通貨の交換所や商店、飲食店などが登録の対象になるとみられる。
官報の文書は、仮想通貨は「ボラティリティー(変動率)が高く、犯罪行為の資金源として使われる可能性がある」とも指摘している。
社会主義国キューバの市民は、親族が外国で就労している場合は、外貨で送金を受け取っているケースが多い。ただトランプ前米政権下で対キューバの経済制裁が強化され、ドルで送金を受けるのが難しくなっている。
若年層を中心に、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨を用いて親族から送金を受け取るケースが増えていた。
キューバ政府は2021年1月、2種類あった通貨を一本化した。その後は通貨ペソを1米ドル=24ペソで固定している。ただこのレートは実勢よりも自国通貨を割高に評価しているとの見方が多く、闇市場での取引が増えている。