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SBIが国内初の暗号資産ファンド、11月にも募集-最大数百億円規模

  • 富裕層中心とした個人対象、3−5年で10%以上の利回り確保を狙う
  • 少なくとも5種類の暗号資産を組み入れて安定運用を目指す

SBIホールディングスが国内初となる暗号資産ファンドを組成する。富裕層を中心とした個人を対象に、11月をめどに募集を始める方針。3ー5年の運用期間で、少なくとも10%以上の利回り確保を狙う。ファンド規模は最大で数百億円規模となる可能性もある。

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SBIが国内初の暗号資産ファンドを11月にも募集
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  傘下で資産運用事業を手掛けるモーニングスターの朝倉智也社長が、ブルームバーグの取材で明らかにした。「個別に暗号資産を買うのとどう違うのか、投資家にきっちりその魅力を示さないといけない」とし、資産の組み入れ比率を工夫して、ある程度安定した運用を目指す。ビットコインやイーサリアム、XRP、ビットコインキャッシュ、ライトコインなど少なくとも5種類の暗号資産を組み入れる予定だ。

  SBIは7月の決算説明会などで暗号資産ファンドの設定方針を示していたが、金額規模など具体的なファンドの詳細については明らかになっていなかった。

モーニングスター朝倉智也社長
Source: Morningstar Japan KK

  同商品はファンドの一種である匿名組合の形式を取る。対象とする投資資産の自由度が高い一方で、一般的な投資信託と違い税制上のメリットがない。最低投資金額は100万円から300万円程度の間で調整している。ある程度投資の知識を持つ個人に対象を絞る狙いがあるという。

  より丁寧なリスクの説明をするため、地銀との共同店舗などを持つSBIマネープラザを通じての対面販売に力点を置く。オンライン専業のSBI証券でも販売する。

  朝倉氏は、暗号資産の値動きは株式や債券など伝統的な資産との相関関係が薄く、リスクヘッジとして投資の選択肢になり得ると指摘。「投機ではなく、顧客の資産ポートフォリオの中でハイリスク・ハイリターンの部分を担う商品の一つとして位置付けてほしい」と訴える。

  積み立て投資のように毎月決まった額を買ってもらい、時間を分散させる投資手法などを顧客のニーズに合わせて提案する。流動性への懸念に配慮して、運用期間は3-5年と短めにする予定だ。

  まずは1号ファンドが信頼できるトラックレコード(運用実績)を積み上げることに注力する。顧客や当局の理解が進めば、2号、3号ファンドの構想や、より多くの投資家に販売できる投資信託設定などの可能性が広がるとみる。スイスやカナダなど暗号資産ビジネスが広く認められている国で現地の運用会社と提携し、上場投資信託の設定などを検討する考えも示した。

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