北朝鮮、仮想通貨50億円以上盗む 安保理パネル指摘
【ニューヨーク=共同】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の下で制裁違反の有無を調べる専門家パネルが年次報告書の中で、北朝鮮が2020年から21年半ばにかけ、暗号資産(仮想通貨)取引所へのサイバー攻撃を通じ計5千万ドル(約58億円)分以上を盗み出したと指摘していることが分かった。加盟国からの情報だとしている。ロイター通信が5日報じた。
報告書は、北朝鮮が制裁を逃れながら外貨を獲得する手段として「仮想通貨を狙ったサイバー攻撃は依然として重要な収入源だ」と分析。昨年の年次報告書では、北朝鮮が19~20年にサイバー攻撃で仮想通貨計3億ドル余りを盗んだと指摘していた。
北朝鮮の人々の暮らしぶりについては「悪化し続けている」とし、新型コロナウイルス対策で当局が実施している厳格な移動制限が原因の可能性があるとの見解を示した。一方、安保理制裁が国民の困窮を招いているとの見方については、情報が不足しているとして評価を避けた。
北朝鮮の核・ミサイル開発を巡っては「ミサイル部隊の迅速な展開や海上を含む機動性など、能力は向上している」と記載。開発推進のため、材料や技術を海外に求め続けているとした。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。