世界最大の仮想通貨取引所、バイナンスのチャオ・チャンコンCEO。
Binance
- バイナンスのチャオ・チャンコンCEOはニューヨーク・タイムズのDealBookで、自身のフォーブスへの出資をきっかけに、より多くのメディア企業が仮想通貨を採用する方向に向かうことを期待していると述べた。
- また、この動きがもしかしたら業界の分散化につながるかもしれないと示唆した。
- バイナンスは2月10日、フォーブスに2億ドルを投資すると発表した。
バイナンス(Binance)のチャオ・チャンコン(Chaopeng Zhang)CEOは、同社のフォーブス(Forbes)への出資がメディア企業の仮想通貨導入に拍車をかけ、業界の分散化にもつながることを期待していると語った。
暗号資産関連企業が伝統的な経済に統合されれば、この産業を無視できなくなると、通称CZとしてよく知られているチャンコンCEOは2022年2月11日、ニューヨーク・タイムズのDealBookニュースレターで述べている。
「伝統的なビジネスに投資し、暗号資産との統合を支援することで、我々にとって興味深い展開になる」と彼は言う。
「暗号ビジネスが伝統的なビジネス、一部の人が『リアル』ビジネスと呼ぶものに資金を供給することで、暗号の伝統的な経済への統合の認識を高めることができる」
世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスは、フォーブスの特別買収目的会社(SPAC)との合併に先立ち、フォーブスへ2億ドル(約230億円)を出資すると2月10日に発表した。
この取り引きは、104年の歴史を持つ出版社が、特別目的買収会社(SPAC)であるマグナム・オプス(Magnum Opus)と合併して上場する計画に役立つだろう。この出資により、バイナンスはフォーブスの2大株主の1つになる。
CZは、フォーブスへの投資は、出版物だけでなく、他の伝統的なメディアとその読者をより迅速に暗号資産に誘導するのに役立つと述べた。
「第一に、すべての新聞で暗号についてもっと書いてほしい。第二段階として、購読料にビットコインを受け入れるか、少なくともステーブルコインを受け入れることを検討してみてはどうだろうか。その次には、NFTがあるかもしれないし、インセンティブ用にトークンを発行することもできるだろう」と彼はDealBookで語っている。
そして、「ビジネスが完全に分散化された方法に移行する準備が整えば、世界中のあらゆる場所の記者を活用し、受け取れる原稿料の額をクラウドに判断してもらうこともできる」とも述べた。
しかしCZは、彼の会社の目的はニュース会社の運営ではないと明言している。暗号資産の統合を加速させることに重点を置いているという。
彼はまた、バイナンスのM&Aに 「あまり深く関与していない」 ことを強調しつつ、彼のチームが 「2、3カ月前に」 メディア企業への投資の可能性を持ち出したことにも言及した。
CZは2017年にバイナンスを設立した暗号資産業界の有名人だ。彼は定期的に仮想通貨についてツイートしていて、フォロワーは500万人以上に上る。彼は2018年にフォーブスの表紙を飾っている。
2020年には、バイナンスが当局の規制を回避したことを暴露したとしてフォーブスを名誉毀損で訴えたが、数カ月後に訴えを取り下げた。
今回のフォーブスへの出資により、バイナンスは9人の取締役会に、バイナンスの最高コミュニケーション責任者、パトリック・ヒルマン(Patrick Hillmann)と、バイナンスのベンチャーキャピタル部門のバイナンスラボの責任者、ビル・チン(Bill Chin)の2人を送り込むことができる。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)