暗号資産(仮想通貨)に注目が集まっている。ウクライナ政府が仮想通貨による寄付を募り、100億円以上が集まった一方、対ロシアの国際的な金融制裁の逃避先としての懸念も指摘される。バイデン米大統領は仮想通貨関連の大統領令に署名。世界が仮想通貨の「活用と規制」のバランスを模索しようとするなか、代表格のビットコインの値動きはここ数カ月間、方向感を失っているという。国内の仮想通貨交換会社最大手のビットバンク(東京・品川)の長谷川友哉マーケット・アナリストに背景を聞いた。

長谷川友哉(はせがわ・ゆうや)
長谷川友哉(はせがわ・ゆうや)
2017年、英エセックス大学大学院修了後、フィンテックベンチャーのアナリストとして仮想通貨の相場をウオッチしてきた。19年、ビットバンク入社。

足元の仮想通貨相場の動きを教えてください。

長谷川友哉・ビットバンク・マーケット・アナリスト(以下、長谷川氏):曖昧だ、というのが正直な感想です。1月初頭、2021年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が公開され、利上げだけでなく、量的引き締め(国債など保有資産の圧縮)について議論が進んでいることが明らかになりました。市場にとってはサプライズで、ボラティリティー(変動率)が高い資産から資金を引き揚げる「リスクオフ」の動きが加速した結果、株式市場と同じようにビットコイン価格も下落しました。

昨年11月からビットコイン価格は下落。今年に入ってから値動きの幅が縮小している(ビットバンク提供)
昨年11月からビットコイン価格は下落。今年に入ってから値動きの幅が縮小している(ビットバンク提供)
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