暗号資産の税負担軽減、自民提言 デジタル市場後押し
自民党は30日、暗号資産(仮想通貨)に関する税負担の軽減を提言した。画像や音楽などを唯一の作品として証明する「非代替性トークン(NFT)」が関わる暗号資産の取引が主な対象となる。2023年度の税制改正への反映や法改正を目指す。
党のデジタル社会推進本部(平井卓也本部長)の検討チームがまとめた。株取引などと比べて税負担が過度に重くならないようにする。NFT作品を扱う将来性のあるスタートアップ企業の海外流出を防ぐ。
NFTはデジタルで作成した画像などにひも付けてデータがオリジナルの作品だと証明する鑑定書のような技術を指す。仮想空間上の取引で用いる。
作品の売買では特定の暗号資産を使う。提言は取引環境に関する国内技術の開発や市場拡大を後押しする税制改正を柱にあげた。
海外にはNFTの取引市場を構築・拡大する際、開発や運営方針について議決権つきの暗号資産を発行し株式会社のように資金調達する手法がある。この暗号資産を「ガバナンストークン」と呼ぶ。
発行会社や投資家が一定程度売り出さずに持つことが多い。日本の税制では暗号資産は時価で評価する。
提言は「発行した法人が自ら保有するトークンは期末時価評価の対象から除外し、実際に収益が発生した時点で課税するよう税制上の取り扱いを見直すべきだ」と記載した。
NFTや暗号資産を活用する状況を次世代型インターネット「Web(ウェブ)3」時代だと定義した。「ウェブ3を担当する大臣を置き、政治が責任をもって国家戦略を策定・推進」するよう訴えた。