これほどWeb3(3.0)に詳しい政治家が日本にいたのか――。衆院内閣委員会で2022年2月4日、Web3の新政策を提言した平将明議員の言葉に、SNS(交流サイト)などネット上は騒然となった。新世代のデジタル技術が広がる中で、国家戦略に何が必要になってくるのか。IT評論家の尾原和啓氏が平議員に直撃した。
「Web3.0では双方向+デジタルアセットの所有や分散型のガバナンスと、社会の変革が起きていく」。2022年2月の衆院内閣委員会で壇上に立った自民党の平将明議員は、Web 3.0の社会的なインパクト、ガバナンストークンに関する課税の課題、クールジャパン政策におけるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)などをテーマに、新世代のデジタル戦略を提言した。
平氏は19年から内閣府副大臣としてIT政策に取り組んだ。20年からは自民党デジタル社会推進本部で座長代理に就任し、デジタル関連の議論をリードする中核的な存在となる。20年末にはデジタル庁発足に向けた提言を取りまとめるなど、21年のデジタル改革関連法の成立や、デジタル庁の早期設立に貢献した。22年1月には、自民党デジタル社会推進本部長の平井卓也前デジタル相からNFT特別担当の指名を受けている。
平氏はNFTやWeb3の広がりを日本経済の「失われた30年」を終わらせる“千載一遇のチャンス”と見る。ブロックチェーンを応用したNFTは容易に複製できない性質を持つことから、日本のクリエーターによる作品や地域社会の観光資源が持つ価値を最大化できるという。Web3やNFTで、本当に日本は生まれ変わることができるのか。そのための課題は何か。IT評論家の尾原和啓氏が問いかけた。
「これは使える」と思った
尾原和啓氏(以下、尾原) Web3に関して衆院内閣委員会で22年2月4日に熱く議論されていたことが大きな話題になりました。正直なところ、議員の方々はこうした新しい技術の分野については、少し慎重な姿勢を取ることが多いと思っていました。今回は本当に素晴らしいタイミングでした。Web3やNFTには、いつごろから注目されていたのでしょうか。
平将明氏(以下、平) 3年前に内閣府の副大臣をやっていました。そのときにデジタルのほかにクールジャパンの担当もしていたんですね。NFTに関してはどちらかというとクールジャパンの文脈で「これは使える」と思ったのです。地方創生という文脈でも日本各地にはクオリティーの高い文化があり、サブカルや食、体験型のサービスもある。その割には価格が安すぎるという点が日本の問題だと感じています。
クールジャパンの文脈でも地方創生の文脈でも、これをどうやって国際的な価値に引き直し、サービスを提供するか。その問題意識を持っているところに、NFTが出てきたのです。「これは日本の持っているコンテンツの価値を最大化するにはうってつけのツールだな」と直感しました。
尾原 本格的にNFTを政策として推進しようと考えられたのは、どんなタイミングでしたか。
平 直接のきっかけは22年1月中旬に自民党デジタル社会推進本部の会議で本部長の平井さん(平井卓也前デジタル相)に「平さん、NFTの特別担当ね」とその場で指名されたことです。「平さん、これ興味あったよね? NFTかいわいですごいことになってるから」と言われたのが始まりですね。
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