史上初、NFTインサイダー取引容疑でOpenSea元従業員を起訴…連邦検事「株もNFTも同じだ」

OpenSeaは、非公開企業としては過去最大規模の130億ドルで資金調達を進めているという。

OpenSeaは、非公開企業としては過去最大規模の130億ドルの資金調達を進めているという。

Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

  • OpenSeaの元社員が、インサイダー情報に基づきNFTを取引したとして、アメリカ司法省に起訴された。
  • 訴状によると、ナサニエル・チャステインが史上初となるNFTのインサイダー取引で起訴されたという。
  • 「NFTは新しいものかもしれないが、この種の犯罪はそうではない」と、連邦検事のダミアン・ウィリアムズは述べている。

アメリカ司法省は2022年6月1日、OpenSeaの元社員、ナサニエル・チャステイン(Nathaniel Chastain)を史上初となるNFTのインサイダー取引容疑で起訴した。

司法省によると、チャステインが大量に購入したNFTは、OpenSeaのウェブサイトに掲載される前のものだったという。デジタルアートの最大の取引プラットフォームであるOpenSeaのウェブサイトに掲載されたNFTは、価格が一気に、かつ大幅に上昇することがあり、それによって利益が得られるとされている。

チャステインがそれらのNFTを購入する際に利用した情報は、機密事項だった。OpenSeaの元プロダクトマネージャーであるチャステインは、ウェブサイトに掲載するNFTを選定する責任者でもあった。OpenSeaの慣例として、どのNFTがウェブサイトに掲載されるのかということは機密事項とされている。

どのNFTがウェブサイトに掲載されるかを事前に知っていたチャステインは、その機密情報をもとに2021年6月から9月にかけて数十のNFTを購入したという。ウェブサイト掲載後にNFTを売却したチャステインは、購入価格の2倍から3倍の利益を得た。

チャステインは、取引の痕跡を隠すために、匿名の暗号通貨ウォレットとOpenSeaの匿名アカウントを使ってNFTを購入した。だが、9月にあるTwitterユーザーが、この匿名アカウントがチャステインのものであることを突き止め、OpenSeaはインサイダー取引があったことを声明で発表した。その後、OpenSeaでは従業員によるインサイダー取引が行われないよう、新たなポリシーが導入された。

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