仮想通貨FTX、貸し付け大手を支援 340億円融資枠
【ニューヨーク=大島有美子】暗号資産(仮想通貨)交換業の大手、FTXトレーディングは21日、仮想通貨の貸し付けを手がける米ブロックファイに2億5000万ドル(約340億円)の融資枠を設けたと発表した。ブロックファイは6月中旬に従業員を2割削減する方針を明らかにしている。FTXは関連業務を展開するブロックファイの支援を通じて不安の連鎖を食い止めたい考えだ。
FTXのサム・バンクマン・フリード最高経営責任者(CEO)とブロックファイのザック・プリンスCEOがそれぞれツイッターで明らかにした。FTXのフリード氏は「ブロックファイのビジネスは全てが正常に機能しており、(顧客の)資産は安全だ」と述べた。ブロックファイのプリンス氏は「必要に応じて融資枠が使われる。顧客の資産を守ることを裏付ける契約だ」と強調した。
ブロックファイは人員を20%削減する方針を打ち出し、リストラを進めている。プリンス氏自身や役員の報酬も減らし、経費圧縮を急ぐ。競合の米セルシウス・ネットワークは顧客からの預かり金の出金を停止しており、市場の不安が高まっている。
FTXのフリード氏は「デジタル資産のエコシステムと顧客を守ることを我々の義務だと真剣に捉えている」とつづった。FTXは仮想通貨の価格が上昇するなかで急成長し、ソフトバンクグループなども投資している。
代表的な仮想通貨、ビットコインの価格は18日に一時2万ドルの節目を下回った。21日は2万1000ドルを上回る局面もあったが、依然として最高値から7割下落した状態で不安定な値動きが続いている。
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